三輪素麺の初相場占う卜定祭(ぼくじょうさい)開催、初相場は昨年に引き続き「安値」
奈良県三輪素麺工業協同組合(奈良県桜井市、小西幸夫理事長)と奈良県三輪素麺販売協議会(池田利一会長)は2月5日、奈良県桜井市の大神神社で三輪素麺の初値を占う「卜定祭(ぼくじょうさい)」を開催した。
祭典には関係者ら78人が出席した。占いの結果、2023年度産三輪素麺「誉(ほまれ)」(18kg木箱)の初相場は、昨年に引き続き「安値」(11,800円)となった。金額は原材料費の高騰などの影響により過去最高額となっていた昨年と同額。
小西理事長は今回の結果を受けて、「生産者不足や製造所の閉所、人手不足などの問題がある。年々製造量が減少傾向にある一方、現在製造を続けているところが増産体制をとってくれているため需要に応えられている。また、昨年は新たに女性の生産者が組合に参加してくれた。地元の協力を得ながら新たなそうめんを製造して、今後も若い人にも興味を持ってもらえるようにしていってほしい」と語った。
直会では、池田会長が「卜定の儀の前に権宮司さまが『高値を引きたいがこれも神のご神託だ』とおっしゃっていた。そうめんは減産傾向にあるが、レベルの高い手延べの機械などを取り入れるなどし、そうめん作りを続けていってほしい。昨年も申したが『変わらないものを守るがために変えていく』、伝統ある製法で作られるそうめん製造にも、変革が必要だと考える」と謝辞を述べた。
〈米麦日報2024年2月8日付〉