堂島「米穀指数先物取引」を“本上場”申請、捲土重来なるか
(株)堂島取引所(村田雅志社長)は21日、コメ先物の本上場を申請した。19日の取締役会で業務規程と受託契約準則の一部変更を決め、21日付で農水相・経産相に対し認可申請を行ったもの。
かつての「東京コメ」「新潟コシ」などとは異なり、新たな商品は「米穀指数先物取引」と称する“指数取引”だ。農林水産省の相対取引価格をベースに将来指数を弾き出す。
本紙に対する堂島のコメントは以下の通り。「前回の試験上場では特定の銘柄などを商品にしていたが、なかなか米業界全体の賛同を得ることが難しかった。そのため、今回は地域や銘柄に偏ることのない、指数取引の商品を申請した。以前の『新潟コシ』であれば、新潟コシを取り扱う場合にフルヘッジ(変動リスクの100%回避)ができたが、今回の指数先物取引では取り扱う米穀全体のマクロヘッジ(包括的なリスク回避)ができることが特長。なお、指数取引のため現物取引は伴わない。農水省の勉強会でも『将来価格』の必要性が指摘されており、米穀の売り手も買い手も安定的な需給と価格を求めている。認可いただければ指数取引のヘッジ機能を広く当業者にご理解いただけるよう、活動していきたい」。
また、農水省は本紙に対し、「一般論として商品先物取引法と行政手続法を鑑みると、これから認可申請を公示し、概ね3~4か月以内には結果をお示しすることになるだろう」と語ったため、早ければ5月下旬、遅くとも6月中には合否が判明しそうだ。
コメ先物は2011年8月8日、72年ぶりに復活。以降2年に一度「試験上場」の延長を繰り返してきたが、2021年8月の本上場申請に対し、農林水産省は「不認可」の判断を下し、当時の㈱堂島商品取引所は「試験上場は申請しない」と決定。昨年11月の「新潟コシEXW」の納会をもって、復活から12年の歴史に一旦幕を閉じていた。
〈米麦日報2024年2月22日付〉