穀検・令和5年産「食味ランキング」は43産地銘柄が特A獲得、特A獲得数は平年並みも、東北・北陸は猛暑で苦戦か/日本穀物検定協会
(一財)日本穀物検定協会(井出道雄会長、塩川白良理事長)は2月29日、令和5年産(2023年産)米の食味ランキングを発表した。
対象は144産地銘柄(令和4年産では152産地銘柄、令和3年産では152産地銘柄)で、最高ランクの特Aにランクインしたのは43産地銘柄(前回40銘柄)となり、Aランク78(91)、A’ランク23(21)となった。
なお、「B」以下は平成18年産(2006年産)以降、18年連続のゼロ更新。エントリー数が減少したのは「5年産の高温障害でエントリーできる状況にないと産地が判断した」「産地で推進している銘柄に絞った」ことなどが要因の模様。
会見で山下哲明理事(業務担当)は総括として、
▽特A・A’は過去2年と比較して大きく変動はない。ただ、特A→A12産地銘柄、A→特A12産地銘柄と移動があった。
▽ランクダウンは全体で27産地銘柄(特A→A12、特A→A’1、A→A’14)で、うち東北・北陸エリアが14産地銘柄と過半を占める。
▽ランクアップは全体19産地銘柄(A→特A12、A’→A7)で、関東以西(東北・北陸以外)エリアが17産地銘柄を占めた。
▽東北・北陸エリアは昨年7月後半からの猛暑と、8月のフェーン現象の影響があり、過去に例がない厳しい環境だった。各産地が水・栽培管理に取り組んだが、比較的高温耐性品種の導入が進んでいる関東以西と比べて、東北・北陸エリアでは白未熟粒などが食味にも影響した。
▽今回、特Aを獲得した43産地銘柄のうち、高温耐性品種が25産地銘柄(前回22)を占めた
――などとした。
〈米麦日報2024年3月4日付〉