神明HDが兵庫県篠山市と包括連携協定、「農都のめぐみ米」拡売図る
(株)神明ホールディングス(藤尾益雄社長)は5月13日、兵庫県丹波篠山市(酒井隆明市長)と包括連携協定を締結した。
連携事項は▽人材育成・地域連携、▽食育活動、▽丹波篠山市産の農産物流通、▽その他・地方創生――に関すること。
藤尾社長は「若いころは米卸の営業として篠山市にもよく来ていて、地元のような感覚がある。先ほど、栗山さん((株)栗山米穀の3代目・栗山泰三氏)とも久しぶりにお話しさせていただいた。名物の牡丹鍋が好きで、営業に来ては毎回のように食べてから帰っていた。微力ではあるが、今回の協定を篠山市活性化につなげていきたい」とした。
協定内容は広範囲にわたるが、米関係では篠山市のブランド米「農都のめぐみ米」の販売拡大に取り組む計画だ。品種はコシヒカリで、化学肥料・農薬の使用回数が慣行栽培の半分、おたまじゃくしの生育を待って中干し、稲わらや堆肥の使用――などの基準が設けられている特栽米。
(株)丹波たぶち農場(田渕清彦代表)らが作付しており、年間の生産量は約4,000袋(30kg袋、玄米ベース)。兵庫県内を中心に販売拡大を図る予定で、藤尾社長は「そもそも兵庫のお米は人気があるが、生産量は自県消費を賄うのがやっとというところ。農都のめぐみ米であれば多少のプレミアムを乗せても売れるだろう」とした。
また、こうした地域連携の目的について質問を受けた藤尾社長は、埼玉県加須市で生産法人・のりす(株)と(株)神明アグリイノベーションを設立し、大規模農家育成プロジェクトを進めていることに触れ、「近い将来にお米の消費量が大きく下がる予測がある。ただ、その時の生産量の予測は消費量をさらに下回る水準だ。もし、米が足りなくなれば日本はパニックになると思うし、米卸としても商売のしようがない。生産者に作り続けてもらうためにも活性化を図っている」などと答えた。
〈米麦日報2024年5月15日付〉