ジブリ美術館で「君たちはどう生きるか」企画展第二部スタート、「ファンに映画の追体験と感動を」
(株)日清製粉グループ本社(瀧原賢二社長)は三鷹の森ジブリ美術館(安西香月館長)の企画展示「『君たちはどう生きるか』展 第二部レイアウト編」(5月25日~11月10日)に協賛している。
同展示会は、第一部イメージボード編、第二部レイアウト編、第三部背景美術編――と3期にわたり展示物を入れ替えて公開中。入場は日時指定予約制。
アニメの制作には全体の設計図となる絵コンテ、個々のカットの詳細な設計図となるレイアウトがある。今回の展示ではレイアウトを206点展示。24日のプレス向け内覧会で、(株)スタジオジブリの宮崎吾朗監督は「絵を書くことは楽しいばかりではなく、大変なことでもあり、レイアウトは現場の苦闘の始まりでもある」などと紹介した。
開催に当たり、安西館長は「アニメ制作に詳しくない一般人として、レイアウトで展示を行うのは難しいのではないかと不安だった。しかし、206点を展示して納得できた。宮崎駿監督が書いた、イメージボードと絵コンテを基に、監督のイメージを皆が見る映像に書き換えていく作業だ。監督の頭の中をどのようにして映像に書き換えていくか、身に迫る思いを感じる。レイアウト用紙には鉛筆で書いたり、消したり、まるごと書き直したりした跡や、スタッフの汗などが残っている。クシャクシャできれいな紙ではないが、自信を持って展示する」などと挨拶した。
日清製粉グループ本社の安達令子広報部長は、同作品が日英米でアカデミー賞受賞、スタジオジブリがカンヌ映画祭で名誉パルムドールを獲得したことに祝辞を送り、「この展示会への期待は世界的に膨らんでいるが、第一部に続いて第二部も期待を裏切らない中身の濃い展示だ。大盛況は間違いなく、ファンに映画の追体験と感動を与えるだろう」とした。
宮崎吾朗監督は「レイアウトはシナリオや脚本が完成して、実際のアニメ製作を開始する時の設計図。多くのスタッフの手を介するため、設計図がないとバラバラな仕上がりになってしまう。一枚の絵には、何度も書き直し、細かな申し送りが入る。レイアウト用紙は上質な薄紙だが、完成する頃には傷だらけでより薄くなっている」などコメントした。
〈米麦日報2024年5月28日付〉