ソディック、小麦由来タンパク質で肉タイプPBF「フラカルネ」開発、水戻し不要で焼豚・とんかつなどに使用可能、FOOMAで初披露
(株)ソディック(古川健一社長)は6月、小麦由来タンパク質を原料に開発したプラントベースドフード「フラカルネ」の販売を開始する。
水戻しなどの下処理は不要で、通常の肉のようにカットし調理するだけで「肉と同様の弾力とジューシーさが味わえる」(同社)。売上目標は2024年度1億円、26年度5億円、28年度20億円。
当面は石川・加賀事業所内の工場で生産するが、今後の需要状況に応じて生産体制を拡充していく方針だ。まずは国内の飲食・加工事業者などへ販売開始し、将来的にはヴィーガン素材として欧州・北米市場への輸出も計画している。
「フラカルネ」は従来のプラントベースドフードに比べて「湿潤・柔軟、低カロリー・低脂質」という特徴を持ち、90日の常温保存が可能だ。
同社の無菌包装米飯製造システムの技術などを応用した特殊加熱装置(特許出願中)で製造。「小麦のタンパク質が相互に熱融合・融着し一体化」することで食肉に近い物性を実現したほか、高温処理による殺菌効果で常温保存を可能にしたという。
そぼろやフレーク状の従来製品には不向きだった焼豚やとんかつ、ハムなどのメニューに使用できる。加水量によって食感が変化するため、最終製品に応じて加水量・サイズ・形状などを調整可能だ。「ユーザーが作りたい製品がとんかつなのか、ステーキや焼肉なのか、また牛・豚・鶏のどの肉に近づけたいか――など、要望に応じてレシピを作っていく。
ボンレスハムのような形や薄切りなど、形状の要望にも細かく対応する」(担当者)。参考価格はkg当たり税抜2,000~3,000円、規格は1kg/100g/50g(要望に応じて特注サイズにも対応)。
なお、「フラカルネ」という製品名は英語のFlour(小麦粉)とイタリア語のCarne(肉)からの造語だという。
6月4~7日に東京ビッグサイトで開かれる「FOOMA JAPAN 2024」では「フラカルネ」を初披露し、希望者には同素材を使ったレシピの試食を提供する。ブース番号は東3ホール3G-69。
〈米麦日報2024年5月30日付〉