はくばく「雑」食堂プロジェクト、「雑な完全食おにぎり」で夏休みの親子応援、食事準備をもっと簡単に、食育や親子のコミュニケーションも
(株)はくばく(山梨県中央市、長澤重俊社長)は8月5日、夏休みの親子をターゲットにした「はくばく『雑』食堂プロジェクト」の始動を発表した。
雑穀ご飯を使った「雑な完全食おにぎり」を提案し、食事準備の負担軽減や栄養不足の解消、食育や親子のコミュニケーション促進を図る。第1弾として、8月中に都内3か所の児童館・子ども食堂に計600食のおにぎりを提供。親子で参加できる食育ワークショップを開催し、夏休みの課題にも使える自由研究シートを全員にプレゼントする。この取り組みで親子の悩み解消を応援するとともに、子どもを持つ20~30代に雑穀の普及を図る。
5日には発表会を開催、市場戦略部の芦澤慶氏がプロジェクトの背景や狙いを語った。
〈「はくばく『雑』食堂」とは?〉
同社は昨年9月に特設サイト「雑っていいこと」を開設。「ちょっとくらい『雑』でも、完璧でなくても良い。あなたの思いやりの『雑』を応援したい」として、“雑”をポジティブに捉えた情報を発信中だ(2023年9月13日付関連記事)。続いて11月には特設サイト「はくばく『雑』食堂」を開設、雑穀と3色食品群(赤・黄・緑)のうち1種類を取り入れた「雑な完全食」を提案している。
〈新プロジェクトの背景〉
今年4月、小学生の子どもを持つ25~49歳男女(n=461)に意識調査を実施。その結果、「コロナ禍を過ぎ出社頻度が増える中、子どもの夏休み期間中の食事準備への負担や、給食がない中での栄養不足に頭を悩ませる親が多く存在することが明らかになった」「夏休み期間に親が仕事で不在のとき、子どもに寂しい思いをさせてしまっていると罪悪感を抱いてしまう親がいる一方、親ともっと話したい子どもは6割以上にのぼり、寂しさを感じる子が多いことも判明した」という。
〈「雑な完全食おにぎり」〉
そうした社会課題を解決しようと考案したのが、雑穀と3色食品群の具材を使い、火や包丁を使わず手軽に作れて親子の“雑談”も生まれる――という「雑な完全食おにぎり」だ。芦澤氏は「今後も(児童館など)さまざまな施設と連携し、継続して取り組みの拡大を目指していきたい」と意気込んだ。
発表会には、NPO法人親子コミュニケーションラボの天野ひかり代表理事がゲストとして登壇。「『親が子どもの食事をしっかり準備すべきだ』という考えに親自身が縛られてしまっている。今回のように、企業が中心となって社会全体が『もっとゆっくり、雑に子どもを育てていこう』というメッセージを発信することで、社会が変わっていくことを期待している」とエールを送った。
また、会場に2組の親子を招き「雑な完全食おにぎり」の体験を実施。「どの具材にしようかな」「なかなか三角に握れない」などと試行錯誤しつつ、親子で協力して完成させたおにぎりを「おいしい!」と頬張っていた。
〈米麦日報2024年8月7日付〉