「マ・マー」70周年でリブランディング、大谷翔平選手との広告施策も/日清製粉ウェルナ

日清製粉ウェルナ 岩橋恭彦社長

日清製粉ウェルナ(岩橋恭彦社長)は2月5日、都内で「マ・マー70周年リブランディング&2025年春新製品 記者発表会」を開いた。2025年はマ・マー70周年であるとともに創業125年の年でもある。ブランド戦略の強化を図り、企業ブランドと製品ブランドの価値を相互に高めていきたい考えだ。メジャーリーグの大谷翔平選手との広告施策も通じて、市場の活性化を図る。

同社は2022年1月に現在の社名に変更した。3年経過した今年は更なる認知拡大と企業価値向上を目指す。口火を切って2024年11月に発表されたのが、大谷選手との広告出演契約の締結だ。

記者会見場には大谷選手のメッセージ動画が放映され、岩橋社長は「大谷選手とともに“食に大切さ”“食のチカラ”“食の楽しさ”を届け、もっと食卓を楽しくしていく」と話した。CMは3月中旬から放映予定という。

コーポレートブランドとファミリーブランド(複数の商品カテゴリーにわたって使用されるブランド)との連動を強化する広告施策にも取り組む。同社は「マ・マー」をはじめとする知名度の高いファミリーブランドを複数保有する。この資産を活用してコーポレートブランドと共鳴し合うコミュニケーション施策を推進していく。

そして、今年70周年を迎えるパスタNo.1ブランドの「マ・マー」は、リブランディングに着手する。

「マ・マー」は“キッチンの主役であること”を願ってつけられた名称で、1955年にマカロニの製造販売から開始した。1956年にはスパゲティの製造販売を開始。1986年に業界に先駆けてパスタ原料をすべてデュラムセモリナ100%にした。

早ゆで(当時5分)製品を開発したのもこの年だ。1999年には、やはり業界の先陣を切って冷凍パスタ「ソテースパゲティ ナポリタン」を発売した。2011年にはおいしさと早さを両立させた「早ゆでスパゲティ」を発売している。

パスタ市場において、マ・マーはナショナルブランド(NB)製品として4割弱のシェアを握るトップブランド。コロナ禍を経てパスタ市場は伸長傾向にあるが、「トップブランドが伸びることで市場をけん引できている」(伊藤俊二常務商品開発本部長)という。

特に「マ・マー早ゆでスパゲティFineFast」は売上ナンバーワン商品で、年間1億2,000万食を出荷している。伊藤常務は、「早ゆでという機能だけでなく、おいしさが評価されている」とした。

一方で、消費者の生活スタイルや男女の価値観は大きく変化しており、パスタの楽しみ方も多様化している。そこで同社は、「マ・マー」が今後も愛され続けるブランドであるために、70周年を機にリブランディングを行う。

新たに掲げたコンセプトは「パスタのおいしさを、すべてに人へ」。ブランドロゴもシンプルで洗練されたデザインに一新する。

リブランディングの目的としては、次の3つ挙げる。

第1に、新規ユーザーの獲得だ。現在の愛用者は年齢層が高いため、若年層の開拓を図る。大谷選手の広告起用もその一つと言えるが、若者にはSNSなどを通じたコミュニケーション施策が有効とみている。

第2は、おいしさの強化。定番の「マ・マー スパゲティ1.6mm」はリブランディングに伴い改良し、アルデンテ食感を追求した。デュラムセモリナの挽き方を見直し、粗めの部分を増やすことで、弾力と粘り、黄色の色味を向上させた。

第3は、ロイヤルユーザーの支持の継続。長年培ってきた“安心感”“親しみ”を受け継いでいくとする。

岩橋社長は、パスタのパッケージデザインについて「思い切って変えたかった。一方で従来のユーザーについてきてもらえるかどうか、綿密に調査を実施した」と話す。デザインの決定まで1年半を要したという。

「マ・マー」と大谷選手のビジュアルを2月5日から公開

「マ・マー」ブランドの広告にも大谷選手は登場する。発表会当日は、広告ビジュアルが初公開された。「マ・マー」を皮切りに、大谷選手を起用した同社ブランドの広告コミュニケーションを順次展開予定だ。

〈米麦日報 2月6日付〉

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