「全農事業ビジョン2030」取扱高6兆円へ、“なくてはならない全農”であり続ける

〈2025年度取扱高は米穀で7,760億円、令和7年産集荷227億円〉
全農は3月25日、都内で開催した第57回臨時総代会で、従来の3か年中期計画に代わる「全農事業ビジョン2030」と、2025年度事業計画を決めた。ビジョンの財務目標は取扱高(売上高)6兆円、会員への80億円以上の継続的な配当ができる財務体質の実現を図るとしている。
ビジョンでは全農グループの目指すべき姿に「持続可能な農業と食の提供のために“なくてはならない全農”であり続ける」を据えた。
これを実現するために、2022~2024年度中期で取り組んできた全体戦略の〈1〉生産振興〈2〉食農バリューチェーンの構築〈3〉海外事業展開〈4〉地域・くらしの維持と活性化〈5〉環境および社会課題への対応〈6〉グループにおける最適な事業体制の構築――の重要性が増していることから継続・深掘りする。
また、ビジョンに基づき全体戦略に取り組み、適正な価格形成などの改正基本法を次期基本計画に対応する。「中期計画に代わり長期目標としてビジョン掲げ、事業計画は変動の激しい事業環境を鑑み単年ごとに策定する」(桑田義文理事長)。

ビジョン実現に向け、初年度となる2025年度の取扱高計画は2023年度実績を2.3%上回る5兆500億円。事業利益は2024年度計画比3倍の15億円を目指す。米穀事業は2022年度実績比+9.7%の7,760億円と増収計画。2024年度計画比でも+14.2%を見込む。

米の取扱計画は、数量ベースで24年度計画比▲11%の219.4万t、金額ベースで+21%の5,941億3,700万円。ただし、令和6年産米の取扱数量(見込)は179万tと2024年度計画を大きく下回っている。なお、令和5年産米の取扱数量は208万tだったという。麦は数量ベースで2024年度計画比▲23%の44.7万t、金額ベースで▲25%の258億3,500万円。
〈米麦日報 3月27日付〉