キユーピーら異業種3社が共同幹線輸送、実車率99.5%とCO2排出量62%削減を実現
※1 幹線輸送:拠点に荷物を大量に集め、その拠点から別の拠点に輸送機関で運ぶこと
※2 実車率:総移動距離のうち、実際に貨物を積載して移動した距離の比率
これまで3社は各社個別にトラックなどを手配し、商品・機器の輸送を行っていた。昨今の物流業界での課題を受け、共通の課題を持っていた3社は共同輸送の検討を始め、今年6月に関東~九州間の往復(総移動距離2811km)で共同幹線輸送のテストを実施した。その結果、実車率の向上、ドライバーの労働環境改善、またCO2排出量の削減などの効果が得られた。この結果を受け、8月22日から3社による共同幹線輸送を本格稼働した。
今回の共同幹線輸送では、キユーピー五霞工場(茨城県猿島郡五霞町)で製品(調味料、加工食品など)をトレーラーに積み、東京港で荷台部分だけフェリーに積む。ヘッド部は運転手とともに帰社。新門司港(福岡県北九州市)で九州の運転手がヘッド部を荷台に連結しキユーソー流通システム(キユーピーグループ会社)の鳥栖デポ(佐賀県鳥栖市)へ輸送、キユーピー製品を下ろす。その後、JPR鳥栖デポ(佐賀県鳥栖市)でパレットを積んで新門司港へ。以下、徳島港、ライオンケミカル(香川県坂出市、パレットを下ろす、ライオン製品を積む)、東京港、ライオン北関東流通センター(埼玉県加須市、ライオン製品を下ろす)、キユーピー五霞工場に戻る――というサイクル。トレーラー運転手は関東、徳島、九州の3人で済み、しかも移動距離は短い。トレーラーを含めた全行程の輸送手配は関光汽船が行う。
また、キユーピーの食品と、ライオンのハンドソープ・ボディソープなどやJPRの物流機器(パレット)が混載されることはない。キユーピーでは「このサイクルで輸送するのは五霞工場から鳥栖デポまでに限定される。当面、週6回中1回となる」という。
〈食品産業新聞 2018年8月27日付より〉