キユーピー、カット野菜検査にAI導入で作業者の負担軽減、効率も向上
キユーピーは、惣菜の原料となるカット野菜の検査に、AIを活用した自社開発の原料検査装置を導入し、運用を開始した。惣菜の原料であるカット野菜の検査に活用するのはグループ初。
導入を開始したのは、ポテトサラダなどに使用するいちょう切りのニンジンの検査工程。惣菜の製造・販売を行っているデリア食品の惣菜工場に1月から導入した。ニンジンの検査工程では、いちょう切りに加工されたニンジンを目視で検査し、規定外の形状や変色したもの、原料に混入した夾雑物などを取り除いているが、作業者の身体的負担が大きい。そこで、この工程を自動化し、作業効率を向上させ、かつ“働く人にやさしい”工程に進化させるのが狙い。
この原料検査装置の特徴は、ディープラーニングを活用した画像解析による良品選別のメカニズム。従来の原料検査装置では、色差などの画像処理で不良品のパターンを学習させる手法が一般的だが、変色や変形、さまざまな夾雑物など不良のパターンが無限にあることから、精度の問題があった。一方、この原料検査装置は、発想を逆転し、AIに良品のパターンを学習させた。これにより、「良品以外」をすべて「不良」として検出することが可能になり、精度が飛躍的に向上した。
〈食品産業新聞 2019年2月28日号〉