「野菜を好きになる保育園 ベジ・キッズ」開設、“野菜と日常的に触れ合う食育”を実践/カゴメ
カゴメの寺田直行社長は、3月19日の開所式で、「働きやすく、働きがいのある会社を目指し、5年ほど前から働き方の改革に取り組んできた。この保育園の第一目的は、働きやすい環境を作ることにある。併せて、中央区の地域の皆様に保育園をご利用いただくことで、社会課題の解決の一助になればと考えた」と話した。
開所式=カゴメ寺田直行社長、後方にオープンキッチン
コンセプトに“野菜を好きになる保育園”を掲げるだけあって、施設に入って目に飛び込んでくるのは保育室の中央にあるオープンキッチンだ。日常的に調理シーンに親しめる設計で、調理室と子どもの手洗い場を対面式にし、お手伝い意識を高める工夫もされている。内装は、野菜のカラフルさをイメージし、落ち着きのあるスペースにも遊び心を加えたという。
カリキュラムには、トマトの苗など野菜を育て、調理し、食べるという一連の流れを体験できる“野菜と触れ合える食育”がある。野菜のおいしさ、楽しさ、大切さを伝え、子どもたちの知的好奇心を刺激するねらいだ。
トマトの苗など野菜を使い“野菜と触れ合える食育”を実践
献立は、同園に所属する管理栄養士1名と栄養士1名、カゴメの管理栄養士が担当する。身体をつくる基本的な食事に加え、野菜を上手に取り入れられる工夫を行っている。見学会では、「白身魚の野菜あんかけ」や「かぼちゃの水ようかん」が試食で提供された。これは、同社の「彩り野菜ミックス(冷凍)」や、「北海道産かぼちゃピューレー(冷凍)」を使用したもので、野菜との接点を増やす工夫の一環。同社は同園で経験を活かし、今後は全国の保育園や幼稚園に向けても、野菜を献立に取り入れやすい方法を伝達することも視野に入れている。
同社には、17年から社内で始めた新事業アイデア募集のプロジェクトがあり、“野菜好きになる保育園”は、その最優秀賞を具現化したものという。寺田社長は、「子育て中の女性社員が中心となり、子どもの成長を願う母親の思いを込めて、コンセプトの立案から施設の細部に至るまで携わった」とする。
同社は、社内外の有職者約80名に子育ての悩みについてアンケートを17年6月に実施したところ、乳幼児期の食事に悩みを抱えている人が多かったという。「ベジ・キッズでは、基本的な保育とともに、野菜と日常的に触れ合う食育を行う。野菜のおいしさや楽しさ、大切さを伝え、乳幼児からの野菜嫌いをなくし、食べることの大切さを伝えたい」(寺田社長)としている。
献立では身体をつくる基本的な食事に加え、野菜を上手に取り入れられる工夫を行う