三井製糖と大日本明治製糖が経営統合、新会社が日本甜菜製糖と資本業務提携へ
製糖メーカートップの三井製糖と、三菱商事子会社の大日本明治製糖は、3月25日に開催された両社の取締役会において、三井製糖と大日本明治製糖との経営統合(2021年4月予定)を決議したと発表した。
また、新会社(持株会社)と日本甜菜製糖(日甜)との資本業務提携に関し、経営統合後に協議を開始することを決議した。
一方、日甜も同日開催された取締役会で、この資本業務提携に関し協議を開始することを決議した。
各社の持つ得意領域を融合し、相乗効果を創出することで、将来の日本の砂糖産業とそれぞれの企業価値の発展向上につなげる考えだ。
三井製糖は、2019年3月期の連結売上高が1052億7400万円。「スプーン印」のブランドで知られる。大日本明治製糖は、2019年3月期の売上高が334億円。「ばら印」のブランドで知られている。
同持株会社は日甜の総議決権の約10%にあたる株式を取得する一方、日甜は同等価値の同持株会社株式を取得する方向としている。
なお、経営統合後の事業承継会社は、商号を「三井製糖株式会社」に変更する。
三井製糖・大日本明治製糖・日甜の3社は、今回の経営統合及び資本業務提携のねらいについて、以下の通り説明している。
〈三井製糖・大日本明治製糖・日本甜菜製糖による説明〉
三井製糖、大日本明治及び日甜の3社は、その前身となる製糖会社を含め、我が国の近代製糖業の草分けとして設立され、以来、長年に亘り砂糖を中心とした食品素材を提供し、豊かな暮らしと食文化の形成に努めてまいりました。
また、北海道においては甜菜、沖縄・鹿児島においてはさとうきびを原料とし、いずれも大自然の恵みを受けながら、基幹作物としての甜菜及びさとうきびの栽培から製糖まで一貫して関わることで、地域農業・経済の活性化にも貢献してまいりました。
その一方で、各社を取り巻く事業環境は、人口の減少、甘味需要の多様化等に加え、TPPや多数の国との経済連携協定の進展もあり、今まで以上に国際的な競争にもさらされるなどの厳しさも増していることから、各社において事業基盤の更なる強化が課題となっております。
このような状況下、我が国の製糖業界において長年の実績を有する3社は、本経営統合及び本資本業務提携により、これまで培ってきた生産技術、品質やコスト管理手法、物流・原料調達をはじめとする広範な経営ノウハウを結集し、安定的国内供給体制の基盤を一層強固なものとすると同時に、国際競争力を強化して企業としての成長を図るものです。