キッコーマン社長交代、中野専務が次期社長に内定、堀切社長は会長CEOに

堀切社長CEO、中野次期社長
キッコーマンは4月27日、都内のホテルで開いた会見で、次期代表取締役社長COO(最高執行責任者)に中野祥三郎代表取締役専務執行役員兼キッコーマン食品代表取締役社長を内定したことを発表した。6月22日開催予定の株主総会・取締役会で正式決定する。堀切功章代表取締役社長CEO(最高経営責任者)は、代表取締役会長CEOに就任する。

〈「生活者の期待に応え、社会課題の解決に貢献」中野次期社長〉
堀切社長CEOは会見で、社長交代の理由について「コロナ禍により現在、世界中で非常に大きな変化を余儀なくされている。経済、社会生活においても、当社や食品産業界としても、かつて経験したことの無い環境に置かれている。そういった中で変化をうまくチャンスに変えていくために、新しい経営体制で臨んでいきたい」と説明した。

中野次期社長COOは就任の抱負として、「キッコーマンは江戸時代から、時代時代の社会的要請に応え、進化することで企業として持続してきた。これからも生活者の皆様の期待に応えると共に、社会課題の解決に貢献して参りたい」と述べた。

また、コロナ禍における取り組みについては、「生活者の行動、考え方が変わり、食や健康への関心も高まっている。それらにどう応えられるかが、企業としての成長にかかると思っている」との見解を示した。

堀切社長は約8年間にわたる社長としての施策について、「この8年間、海外事業が順調に成長、国内でも少子高齢化・人口減により食品産業全体が厳しい中で、『いつでも新鮮』シリーズなど、お客様にとってより価値の高い商品を創造し、提供することに注力し、さらに豆乳事業の成長も合わせて、一定の成果を上げることができた」と振り返った。

会長就任については、「CEOであることは変わらず、中野次期社長COOには業務執行で全権を委ね、私はグループ全体の統括や中長期の事業戦略に関わっていきたい」と述べた。

【キッコーマン 中野祥三郎(なかの しょうざぶろう)次期社長略歴】
1981年3月慶応大大学院経営管理研究科修了、同年4月キッコーマン入社。国内営業、海外販社出向、経営企画、財務担当などを経て、2015年に取締役常務執行役員、2019年から現職。64歳、千葉県出身。