【トマト加工品特集】鍋つゆ、メニュー用調味料など”トマト味”浸透
トマトブームは去ったもののトマトジュースの需要はブーム前を上回っており、着実な底上げに至っている。一方、トマトケチャップは現地価格の上昇と円安で原料の輸入価格が高騰、4月に相次いで値上げとなったが、需要量は大きな減少はなく、堅調に推移した。野菜摂取意向もあって、トマトソースやトマト素材は堅調、トマト味のメニュー用調味料やつゆ・鍋つゆなどは増加傾向にある。
トマト加工品はケチャップやトマトソースなどのトマト調味料及びホールトマトなどのトマト素材と、トマトジュース・野菜(トマトミックス)ジュースなどの飲料に分けられる。特にトマト調味料の分野では、トマト煮込みや炒めものなどメニュー用調味料が各社から発売されて、需要を伸ばしている。鍋つゆも定着している。12年2月に京都大学の河田照雄教授がトマト中の成分の体内脂肪燃焼効果を発表、「トマトにメタボ予防効果」と大きく報道されたことから、トマトジュースが品薄になったほか、生鮮トマトやトマト素材など加工度の低い製品に特需が発生した。ブームが去ってもトマトジュースの15年の市場規模はブーム前の3割増を維持しており、完全に底上げがなされた。
しかし、ケチャップなど調味料にはあまり関係なく、漸減傾向が継続している。一方で麺つゆ、鍋つゆ、メニュー用調味料などトマト味の調味料のバラエティー化が進み、着実にトマト味が国民に浸透してきた