丸美屋食品 23期連続増収「着実な売上増を図り中長期的なトレンドに」/2022年12月期業績報告会

丸美屋食品・阿部豊太郎社長
丸美屋食品・阿部豊太郎社長

丸美屋食品の阿部豊太郎社長は2023年1月12日、同社銀座オフィスで業績報告会を開き、2022年12月期の事業実績、概況について報告した。総売上高は585億5000万円(前期比3.7%増)で23期連続の増収となり、総売上高600億円が近づいてきた。

「毎年2、3%程度の着実な売上増を図り、中長期的なトレンドとしていきたい」と阿部社長。創業100周年を迎える2027年に向けて、ふりかけ・中華・釜めしの基幹3群で足元を固めつつ次代を担う商品の育成に努めていく考えだ。

2022年12月期は中華とキャラクター商品群が不振のなか、ふりかけや釜めし、米飯群が増収に寄与した。セット米飯は11億円を売り上げ、期初目標の10億円をクリア。主な釜めしの実績は、「とり釜めしの素」1%増、「五目釜めしの素」5%増、期間限定品12%増だった。

基幹3群(ふりかけ・中華・釜めし)はトータル3%増となった。小麦価格が上がり、コメが相対的に割安になったことや相次ぐ食品値上げによる節約志向の高まり、弁当回帰の流れを受け、ふりかけ(キャラクター商品除く)と釜めしは好調で、「混ぜ込みわかめ」は69億円、ソフトふりかけシリーズは初めて30億円の大台に乗せ、ともに過去最高売上を更新した。ふりかけの旗艦「のりたま」群は54億円(1.9%増)となり、「味道楽」や「すきやき」といったふりかけの主力品も軒並み売り上げを伸ばした。

一方、中華は麻婆豆腐の素トータルで前年比2%減の104億円、うちレギュラー4品は95億円となった。麺用ソースシリーズは16%の減収。中華のなかでは、「麻婆茄子の素」(11%増)と春雨シリーズ(27%増)が健闘した。

阿部社長は、「2022年は、常温の中華商品が市場全体で不調だった。冷食の調理食品に一部需要が取られたと見ている」と不調の要因を語る。とはいえコロナ前の2019年比では、同社の中華群は4%増と底上げされ、ふりかけ7%増、釜めしも14%増となっている。「市場はいずれも減少しているが、そのなかで当社は売り上げもシェアも拡大しており、経済性や利便性とともに丸美屋ブランドに対する安心感を再認識いただけた結果だと思う」とした。

総売上高のうち市販品は487億6000万円(2.2%増)、OEM(相手先ブランド製造)を含む業務用・その他は97億9000万円(12.1%増)で共に増収となった。期中に発売した新商品の売上構成比(市販品売上高に占める割合)は5.4%で目標の5%をクリアした。利益は非公表だが、製造原価率の大幅な上昇が響き、減益となったもよう。

2023年12月期は、総売上高596億円(うち市販用は490億円)で微増収、利益は原料高騰などコスト増の影響をふまえ減益を見込む。

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