神戸ジュエリーカミネ「手塚治虫」「ベルばら」ライセンスのカレー・紅茶など展開、スーパー「パントリー」内売場で関東にも進出

神戸ジュエリーカミネ「手塚治虫」「ベルばら」ライセンスカレー展開(写真は「パントリー池袋ショッピングパーク店」)
神戸ジュエリーカミネ「手塚治虫」「ベルばら」ライセンスカレー展開(写真は「パントリー池袋ショッピングパーク店」)

〈製造は関西の地元メーカー、手塚氏出身地「宝塚」高速サービスエリアなど販売も〉

老舗宝飾店のジュエリーカミネ(神戸市)は、本業以外に食品の企画・販売も行っている。展開する商品は、ライセンス権を持つ手塚治虫作品、池田理代子「ベルサイユのばら」をパッケージにデザインしたレトルトカレー、紅茶、コーヒーなど。子どもの頃にこれらを愛読した中高年以上の世代に人気だ。

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製造を委託するメーカーは、カレーはキャニオンスパイス(大阪府泉南市)とベル食品工業(大阪市)、紅茶は神戸紅茶(神戸市)、コーヒーは日米珈琲(神戸市)。いずれも味や品質にこだわって独自技術を磨いてきた関西の地元企業だ。

キャニオンスパイスは香辛料を専門に研究し、現在は独自ブレンドのカレーパウダー使用のルゥやレトルトを製造する。ベル食品工業は日本で最初に固形カレールゥを製造し、欧風カレーに強みがある。神戸紅茶と日米珈琲は日本で最初に紅茶やコーヒーの文化が根付いた神戸で、100年以上の歴史を持つ老舗企業。

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手塚氏は兵庫県宝塚市出身、「ベルばら」は宝塚歌劇団で最も人気の演目。「手塚」「ベルばら」商品は、新名神高速「宝塚北サービスエリア」や大阪伊丹空港、新幹線の新神戸駅や新大阪駅など、宝塚近郊のターミナルの土産店で販売されているが、最も多くの店舗で扱うのが、大近(大阪市)が展開する安全安心にこだわった上質スーパー「パントリー」だ。パントリーの出店エリアは京阪神圏が中心だが、近年は首都圏にも進出し、「丸井溝口店」(川崎市)、「池袋ショッピングパーク店」(東京都豊島区)、「カメイドクロック店」(東京都江東区)を展開している。

〈往年のファンの琴線に触れる企画も、マンガで町おこし・豊島区など首都圏でも販売開始〉

首都圏の基幹店になる「パントリー池袋ショッピングパーク店」では、レジ前に「手塚・ベルばら」の紅茶コーナーを配置。売場中のゴンドラエンド(陳列棚の端)にレトルトカレーを集め、上段に手塚・ベルばら、中段にパントリーのPB(プライベートブランド)「こだわりカレー」シリーズ、下段に全国各地のレトルトカレーを集めた。パントリーのPB製造も泉南市のキャニオンスパイス。レトルトカレーコーナーはゴンドラの3分の2がキャニオンスパイス製品になる。

「パントリー池袋ショッピングパーク店」レトルトカレーコーナー
「パントリー池袋ショッピングパーク店」レトルトカレーコーナー
「パントリー池袋ショッピングパーク店」紅茶コーナー
「パントリー池袋ショッピングパーク店」紅茶コーナー

幼児食のコーナーにはハウスやエスビーなど大手メーカーの子ども向けカレー・ハヤシのほか、キャニオンスパイスが安心・安全にこだわって開発した「こどものための」シリーズのシチューも並ぶ。その隣りには、ジュエリーカミネがキャニオンスパイスに製造を委託した「ジャングル大帝ハヤシソース」「ジャングル大帝カレー」も並ぶ。この2品は3歳から食べられるが、大人も一緒に食べられる味付けなのが特徴。カレーは近年、辛口のラインナップが多いが、「ジャングル大帝カレー」は大人も満足できる貴重な甘口カレーとして、固定客もついているという。

幼児食コーナーには「ジャングル大帝カレー」など陳列
幼児食コーナーには「ジャングル大帝カレー」など陳列

紅茶コーナーではドイツ・シュニール織のブランド「フェイラー」の「手塚キャラクター」ハンカチを販売。「フェイラー」の規定で、同一デザインの商品は販売できる上限が3000点なので、数量限定商品になる。ハンカチや紅茶の購入者には専用の紙袋も進呈し、ファンの琴線に触れる企画を随時展開している。

フェイラー「手塚キャラクター」ハンカチ販売(画像はブラックジャックの「ピノコ」)
フェイラー「手塚キャラクター」ハンカチ販売(画像はブラックジャックの「ピノコ」)

パントリー池袋ショッピングパーク店は、コロナ拡大で最初の緊急事態宣言が発令された2020年4月という非常に厳しい環境下で開店した。関東ではまだ知名度もなく、苦しい状態が続いたが、行動制限の解除が進み池袋駅周辺に人流が戻ってくると、安心・安全の品揃え、ここにしかない商品が支持を得て、売り上げも右肩上がりとなった。同店によると「手塚」「ベルばら」商品もその一翼を担っているという。

パントリー池袋ショッピングパーク店が立地する東京都豊島区は、手塚治虫氏や藤子不二雄氏などが暮らした「トキワ荘」があった場所。池袋は都内では秋葉原に次いでアニメショップなどが集積する地域で、区をあげてマンガ・アニメによる町おこしも行われている。

◆ジュエリーカミネ グロッサリー事業公式サイト

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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