「こどものためのボンカレー」親の悩み解消へリニューアル、野菜量増加とアレルギー対応品目を拡大、担当者「自分が本当にほしい商品を追求」/大塚食品

イラストが異なる3種類のパッケージ
イラストが異なる3種類のパッケージ

大塚食品は8月26日、「こどものためのボンカレー」をリニューアルして全国で発売した。130g、205円(税別)。1食分の国産野菜を使用し、アレルギー物質28品目対応するなど、子育て世代の悩みを解決する商品を目指したという。国産野菜を使用したまろやかな甘口カレーで、箱ごとレンジで調理できる商品となっている。

同社製品部でボンカレーを担当する中島千旭さんによれば、「こどものためのボンカレー」は“親が子どもに食べてほしいカレー”というポジションであり、キャラクターのシールなどがついた物質的な評価の高い“こどもがほしいカレー”ではないとする。「今回のリニューアルにより、一食分の野菜(生換算)に増量して買う理由を強化するとともに、アレルギー28品目対応にすることで買わない理由を払しょくしました。親として自分自身が本当にほしい商品を追求して実現した商品です」と語る。

大塚食品でボンカレーを担当する中島さん
大塚食品でボンカレーを担当する中島さん

「こどものためのボンカレー」は2016年に発売され、国産野菜の使用やアレルギー物質への対応など、親が子どもに安心して食べさせることができるカレーとして支持され、年々売り上げを伸ばしてきた。レンジ調理ができる簡便性も特長となっている。

同社はさらに変化する生活者ニーズに対応するため、大塚食品は30~40代の子育て世代を対象に子どもの食の困りごとに関する自社調査を行った(2024年4月実施、3~6歳の子どもを持つ30~40代男女480人対象)。その結果、「野菜不足」「野菜嫌い」が上位にあがるとともに、3~6歳の子どもの約2割が何らかの食物アレルギーをもっていることがわかったという。

同調査の“こどもの食品の選択時に重要視すること”では、野菜が多くとれること、量がちょうどいいことを多くの親が挙げており、その他では、国産の具材を使用、適正な塩分、レンジ調理可能などがあったという。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によれば、子ども(1~6歳)の1日当たりの野菜摂取量は、2015年時点に156ℊだったが、2019年時に129ℊとなり、27g減少している状況だ。「こどものためのボンカレー」は、野菜の量が摂取目標量の1日240ℊに対して1食分の野菜量(80g)を含む設計で、このうち緑黄色野菜が3分の1量以上を占めるという。

また、親たちが気にしているのは食物アレルギーだ。消費者庁の2021年度の調査によれば、食物アレルギーは6歳までの症例が79.5%と、乳幼児の食物アレルギーが圧倒的に多くなっている。即時型食物アレルギーの原因食物は、鶏卵、牛乳、木の実類、小麦の順に多い。「こどものためのボンカレー」は、食物アレルギー特定原材料など28品目で該当なし。アレルギー対策の食品は幼い時期のものは多いが6歳以上のものは少ない。幼児でもおいしく食べられるアレルギー対策の商品であることもポイントといえそうだ。

カレーのおいしさを実現するために、使用できる材料が少ない中でも工夫したという。本来、カレーは肉などの旨みと、フルーツなどの甘みが必要不可欠だが、同商品ではアレルギー特定28品目中に該当する畜肉(牛肉、鶏肉、豚肉)、フルーツ(キウイフルーツ、バナナ、もも、りんご)は使えない。そこで、大塚食品の琵琶湖研究所は、「ボンカレー」の長年の研究開発の知見を活かし、野菜の種類や加工方法、その他の原料のバランスを整えることで、おいしく食べられるようにしたという。

実際に盛り付けたカレーと商品3種
実際に盛り付けたカレーと商品3種

商品パッケージも3種類(ゾウ、ライオン、サル)のイラストを採用して、子どもたちがより親しめるようにした。

中島さんは、次のように話す。「いま子育てしているのは、共働きの方が多い。例えば、仕事から帰ってきて慌ただしく、ごはんを作ることが大変な時に、“こどものためのボンカレー”を使っていただき、調理時間を減らしながら、お子様と一緒に過ごせる時間が提供できたらと思っている」。

全国の量販店やコンビニエンスストア、ドラッグストアのほか、調剤薬局でも販売する計画だ。

【製品概要】
▽製品名=「こどものためのボンカレー」
▽内容量=130g
▽製品特長=1食分の国産野菜を使用。食物アレルギー表示対象28品目中、該当なし。7種類の国産野菜の甘みと旨みがとけこんだ、まろやかな甘口カレー。対象年齢、3歳から。箱ごと電子レンジ調理可能。
▽希望小売価格=205円(税別)

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昭和26年(1951年)3月1日
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