わさびのおいしさを海外に/金印「高質なわさびを海外で展開」【食品産業技術功労賞】
金印の海外事業は、現在では売り上げの約40%を占める事業となっている。
開始当初は、粉わさびを中心に約10品程度の商品数からスタートし、2024年で米国(ロサンゼルス)に営業拠点設立40年、現地法人設立10年の節目の年を迎えた。
1980年代初頭に起こった寿司ブームのさなかで、海外でのわさびに対する認識は「緑色で辛ければ何でも良い」というものだったという。そんな認識を変えるため、営業拠点を設立し、「わさびは日本原産で固有の香辛料であること」「健康的にも優れた食材であること」などのわさびの特徴や、醤油に溶かずネタにつけて食する正統派の食べ方を広めるなど、わさびの本質的価値の啓発に注力してきた。
1986年には直接貿易を開始、ロサンゼルス支店が稼働した。現在では世界約70か国で販売実績があり、トータル150アイテム(海外専売品は80アイテム)を販売している。わさびの啓発活動として積極的に海外の展示会にも出展している。
「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2024年時点)。
「第54回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)
▽一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆
▽国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也
▽国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美
▽独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央
▽独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興
▽日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛
▽食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹
〈食品産業新聞 2024年12月2日付より〉