〈シグナル〉食と掃除とワールドカップ

「監督それはないって」の声が何処からか届きそうだ。サッカーW杯予選第3戦のポーランド戦は最後の1秒まで気の重い観戦だった方も多かろう。総力戦と全員出場をはき違えている感も否めない。あそこで従来結果を余り残せなかったメンバー6人に託す神経の図太さに感心し、コロンビアには初めから最後まで面倒をみてもらった幸運に感謝するしかない。

ところで、会場での日本人サポーターの清掃が話題を呼び、真似する外国人も大勢出てきたと評判だ。飲料や食事の容器だろうが、日本の感覚では当たり前と思う姿を目に、影響を受けて行ったのならすれば少々こそばゆい限りだ。

清掃といえば、ある食品メーカーの社長から社内のトイレを毎日のように自分で掃除すると聞いた。月1回は駅から会社への路上まで清掃するそうで驚いた。社員まで自発的に清掃業務を行うこととなり、結果、社内はクリーンさを保ち、精神的にも違うのか意識改革が進んで、増収増益が5年間も続いているというから掃除の影響がないとは言い切れない。

これを知った人が先ずはと自宅トイレを週に1度、1年前から掃除を開始した。辛いこともあるが強迫観念もあって続けているという。ただ、それにより家の中全体が以前よりきれいになり、家族関係がより親密になったとの話はないらしい・・・。最後はベルギー戦と劇的幕切れで終わった日本だが、W杯後の幸運を祈ると共に清掃風景拡大にも期待したい。

〈食品産業新聞 2018年7月5日付より〉