〈シグナル〉広がる納豆の魅力
とある大豆卸の社長から、「焼き納豆丼」をおすすめされた。食の冒険家、発酵学者の小泉武夫氏が「最後の晩餐に食べたい」と決めているレシピだとか。納豆好きなので、すぐに試してみた。
作り方は簡単。フライパンにサラダ油(私は太白胡麻油を使用)をひいて加熱、納豆をのせて中央にくぼみをつけ、しばらく焼いてから目玉焼きをつくるイメージでくぼみに卵を割り入れ、水を少しかけてフタ(もしくは丼)を被せて蒸し焼きにする。ご飯の上にのせて鰹節と醤油をかけると完成だ。
小泉氏によると、加熱しても納豆菌は生きているという。私は途中でラー油を加えて味変を楽しんだ。キムチ、チーズをトッピングすれば、発酵食品をこれでもかというほどとれる。ネギも当然合う。これにサラダや野菜のみそ汁があればさらに栄養バランスがいい。在宅勤務の際に、気分転換がてら簡単にランチとして作るのもいいだろう。
コロナ禍の中、健康イメージと簡便性、手頃な価格などがあいまって、納豆の需要が拡大した。そんな中、旭松食品は納豆のさらなる用途拡大が期待できるフリーズドライ納豆を今秋発売した。糸引きがなくにおい控えめで旨味があるという特長がある。「納豆の旨味を手軽に取り入れられる。手放せなくなる」(同社広報)おいしさだと胸を張る。家庭用と業務用で展開していく。
納豆の新しい食べ方など、今後の広がりに注目したい。
〈食品産業新聞 2020年10月19日付より〉