〈シグナル〉大豆ミート原料値上げの影響は
3月中旬から、大豆ミートがスーパーの精肉売り場に本格的に登場した。イオンとセブン&アイホールディングス(HD)がほぼ同時期に大豆由来の代替肉ミンチのトレー発売を開始し、注目を集めた。
スーパーではこれまで、ドライやチルド売り場で乾燥大豆ミートや大豆ミート加工品の展開が主流だったが、2020年あたりから弁当や中食、総菜に大豆ミートを採用する動きも出ていた。精肉エリアへの進出は、いわば畜肉と同等の扱いを意味し、牛、豚、鶏に続く第4の肉として定着に向けた大きな一歩と言える。
4月に入ってライフコーポレーションも首都圏の「ライフ」店舗の精肉コーナーで、大豆ミートを用いた春巻きなど、チルド商品3品の展開を開始しており、今後、リージョナルスーパーや地域スーパーにも波及していく可能性は高い。
より身近な存在になりつつある大豆ミートだが、その原料となる大豆が高騰している。米国の大豆の生産が伸び悩む中、中国の輸入が堅調で需給がひっ迫していることなどから、原料大豆の在庫率は過去最低水準となり、原料価格の指標であるシカゴ相場は2014年以来の高値圏で推移している。
そのため、不二製油、昭和産業、日清オイリオグループは7月1日出荷分から、大豆たん白の値上げを相次いで発表した。順調に拡大を続けている大豆ミートだが、仮に製品価格に転嫁された場合、どの程度影響が出てくるか、気になるところだ。
〈食品産業新聞 2021年6月14日付より〉