〈シグナル〉“ニンニクに勢い”

 
コロナの状況下で飲食店の休業や時短営業が常態化し、外食派のライフラインに大きな影響を与え続けている。テークアウトはあるものの制限下にある外食店に行くよりは、スーパーやコンビニで弁当や惣菜を買って食べたほうが良いと考えがち。さらに、土休日はもとより仕事から帰って余力がある日には、自炊したほうが良いとも考える。内食需要の拡大、家庭内調理機会の増加は当然の流れだろう。
 
中華惣菜の素や和惣菜の素などが食品メーカー各社から多数発売されており、料理することに不馴れでも、手ごろな食材でさまざまな主菜・副菜が家庭で簡単に作れてしまう時代だ。身近な食材を使って短時間のうちに本格料理を作ることができ、買い求めやすい価格帯で売られているメニュー調味料やシーズニング、さらにはチューブ入りの香辛料や調味料が、ますます存在感を増している。
 
特にチューブ入り製品は、生鮮食材がもつ旬や使用量、価格の課題をクリア。さまざまな素材をチューブ入り製品に採用するバラエティ化戦略が功を奏し、用途提案とあいまって売り上げを伸ばしている。
 
素材的には健康イメージが強いニンニクに勢いがある。コロナ禍におけるマスク着用が追い風となったこともあり、以前にも増して積極的に使われるようになった。食欲旺盛な若年層がいる家庭中心に、炒め物全般へ用途を広げている。
 
〈食品産業新聞 2021年7月26日付より〉