〈シグナル〉米バーガーの定着に期待

 
こめ油メーカーの築野食品工業とボーソー油脂の2社は、原料高騰などを受け、6月、9月に続いて12月から、3回目の価格改定を行う。国産こめ油の原料は、玄米を精米した時に発生する米糠だが、米の消費量が年々減少していることから米糠の発生量も減少し、調達コストが上昇している。
 
ただ、残念ながらここ数年、米の消費が上向くような明るい話題はあまりなかった。米の消費が増えなければ、米糠の調達環境の改善も見込めない。ところが最近、パンの代わりにご飯を使った米バーガーの存在感が急速に高まりつつある。
 
米をバンズにしたハンバーガーは1987年にモスフードサービスが開発した「モスライスバーガー」が元祖となる。長らく孤軍奮闘してきたが、2020年に日本マクドナルドが期間限定で、夕方5時以降の「夜マック」メニューとして「ごはんバーガー」シリーズを販売開始。直近では、2021年9月29日から3アイテムを期間限定商品として全国のマクドナルド店舗で販売している。バンズに使われるのは100%国産米だ。
 
10月からはロッテリアも参入し、期間限定で国産米100%使用の米バーガーを販売し始めた。バーガーチェーン以外にも、松屋フーズが片手で食べれるライスバーガーを販売するデリバリー専門店「米(my)バーガー/こめ松」の販売店舗を、6月から20店舗に拡大している。
 
一時的なブームに終わらず、定着することを期待したい。
 
〈食品産業新聞 2021年10月21日付より〉