〈シグナル〉造る・運ぶ
秋に向けて食品メーカー各社から新商品が続々と登場している。コロナ禍以降のニーズの変化に対応する多種多様な商品が登場する一方、アイテム数を整理するケースもある。業務用では「人手不足」と「2024年問題」への対応を目的とした商品投入が顕著だ。コロナ以前から製造・流通では人手不足が叫ばれていたが、ここにきてはっきりと顕在化している。
人手不足への対応は様々だ。ロボットの導入など省人化を目的とした動きもあれば、原材料の袋の開けやすさ・搬入のしやすさの追求、使いきりサイズで計量を省略、様々な最終製品のベースとなる複合原材料など、オペレーションの効率化というアプローチもある。
物流への対応も本格化してきた。習慣としてばら積みをしてきた食品であっても、パレットを採用する動きが加速。包材そのものの見直しも進んできた。大手食品メーカー6社と物流企業のF-LINEが展開する共同配送では、10月から物流効率改善を目的に北海道地区の共同配送の仕組みを再構築する。配送拠点と配送車両の共同利用を推進するもの。併せて、CO2排出量の約16%削減を見込む。また、次期ステップでは環境負荷低減の一環として、道内遠隔地納品の鉄道輸送活用を検討しているという。
技術革新による自動化が進んでも、造る・運ぶための人手はゼロにはならない。横の連携も含めた最適化の動きは、さらに加速していくと見られる。