〈シグナル〉「#食べるぜニッポン!」

東京電力福島第1原発で発生する処理水の放出では、三陸常磐沖の水産物の風評被害が懸念された。福島県浜通り出身の記者としては、常磐沖のアンコウ、柳カレイ、目光などへの影響が想定される中で、できる限り食べる機会を増やさなければならないと考えていた。

ところが、報道によると三陸常磐ものについては、同じ考えを持つ方が多く、豊洲などでは三陸常磐ものの取扱いは活気づいているようだ。

一方で、中国政府が日本産水産物の輸入規制を強化したことで、多くの水産物が行き場を失うという事態になっている。三陸常磐ものという、一部の水産物ではなく、日本全体の水産物に影響が及んでいる。つまり、中国という国を挙げた風評被害に拡大してしまっている。

こうした苦境の中で、「#食べるぜニッポン!」との言葉を付けた投稿が話題になっている。農水省の若手職員が旧ツイッターであるXに投稿したことがきっかけという。投稿では、「ホタテ、ブリ、鯛、マグロ、練り物。一人でも多くの方に、少しでも多く食べていただけると状況が劇的に改善します」と訴えた。ありがたいことに、その後、国産水産物を食べる写真が大量に投稿されている。

さて、記者は何ができるかだが、万遍なく食べつつも、意識して国産水産物の消費に取り組みたい。我々一人ひとりの行動はたかが知れているが、大きな力になる、そう、力づけてくれた、「#食べるぜニッポン!」だった。