〈シグナル〉冷食大手の新潮流への対応
料理の再現性の高さや電力が通じている限りの保存性という冷食の特性から、コロナ禍において冷凍関連の様々なサービスが生まれた。冷食自販機や機能性冷凍おかずセットの通販などだ。冷食メーカーもこの新しい流れに対応している。
冷食最大手のニチレイフーズは2006年に公式通販サイト、ニチレイフーズダイレクトを開設して健康に配慮した商品を販売してきた。現在ウェルネス事業に位置付けられているが、冷食業界において健康需要への本格的な取り組みの走りだったといえる。
同社では昨秋、主力の「気くばり御膳」をひらがなの「きくばりごぜん」に変更し、環境対応包材に切り替えるなどして、より幅広い層へ訴求を図っている。
業界ナンバーワン商品「ギョーザ」をもつ味の素冷凍食品は2021年に公式通販サイトを開設して、機能性の高いギョーザの販売を開始した。その後ネット通販Amazon専売で発売した「プロテインギョーザ」の販売が好調。2024年に入って公式通販サイトはアレルギー対応商品と減塩商品の取り扱いも始めて拡充している。
冷凍うどんトップのテーブルマークも2023年初めに公式通販サイト「食+(ショクタス)」を本格始動。フリーフロム食品を「BEYOND FREE(ビヨンドフリー)」と名付けて展開を強めている。
日清製粉ウェルナは2023年春から業務用領域で「マ・マー自販機専用パスタ」のテスト販売を始めている。