〈シグナル〉広がる「ボトルtoボトル」

清涼飲料業界で、ペットボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」を推進する動きが広がっている。

使用済みペットボトルを新しいペットボトルにリサイクルする取り組みで、新規化石由来原料の使用量を削減し、CO2排出量も約60%削減できることが特長。

「ボトルtoボトル」比率は近年加速度的に増加し、2022年に29%となり、2017年の10.4%から約3倍になった。同業界は2030年に50%にする目標を掲げている。

実現には、使用済みペットボトルをきれいな状態で多く集めることが重要だ。

この活動をけん引するコカ・コーラシステムとサントリー食品は協働して、「外でも分別」をテーマに浦和レッズと鹿島アントラーズの各サッカースタジアムで分別啓発イベントをそれぞれ6月と7月に実施した。これは家の中に比べて、自販機横のリサイクルボックスを中心に家の外の使用済みペットボトルの品質が悪いためだ。残さず飲み切る、ボトルからキャップを外しラベルも剥がす、リサイクルボックスに入れることを訴求した。 

驚いたのは、どちらもサポーターが「ボトルtoボトル」へ熱心に参加していたことだ。埼玉県庁によれば、埼玉スタジアムは他施設に比べ、サポーターが熱心に取り組みペットボトルの分別回収が非常に進んでいるという。

街中で協力を呼びかけても反応はまだ薄い。人々が自分の居場所と思う場所で、体験を重ね、自分事と思ってもらえるかがカギになりそうだ。