15年の菓子 新たなパーティー需要掴む
2015年の菓子生産数量は196万828tで前年比1・5%増、生産金額は2兆4465億円で2・2%増となり、小売金額は3兆3254億円で前年から2・3%増加した(全日本菓子協会調べ)。
卸売菓子の主要カテゴリーの小売金額は、キャンデー2510億円(2%増)、チョコレート5040億円(3・7%増)、チューインガム1113億円(3・2%減)、ビスケット3710億円(7・5%増)、米菓3642億円(3・8%増)、スナック菓子4205億円(0・3%減)。小売金額ベースで、チョコレートと米菓は過去5年、キャンデーとビスケットは過去2年連続して増加している。
現段階で2016年3月期決算は明らかになっていないが、卸売菓子の大半がいわゆる大手8社(明治、ロッテ、江崎グリコ、森永製菓、ブルボン、不二家、カルビー、亀田製菓)で構成されること、またチューインガムはロッテ、スナック菓子はカルビーというように、カテゴリーで大勢を占める企業の状況から15年度としての着地がある程度みえてくる。
近年はハロウィンやイースターなど、新たな催事からパーティー需要が拡大だ。さらに嗜好性を備えた健康機能軸の商品によって新規需要層が開拓され、インバウンド需要の増加とあいまって菓子産業は非常に勢いがある。森永製菓の16年3月期決算は菓子・冷菓がけん引車となり去最高益を更新する見通し。同社の新井徹社長は「菓子産業に対して、いま各方面から熱い視線が注がれている」とさらなる飛躍に期待を寄せる。
15年度のロッテは、特に「チョコパイ」などビスケットが好調で、チョコやキャンデーも前年クリアの一方、ガムは微減となったもよう。カルビーは、主力のポテトチップス中心に概ね好調。明治は、チョコの新潮流ビーントゥバーの取組みや高カカオ商品で売り上げを伸ばした。江崎グリコも概ね堅調だ。
12月期決算の不二家は、ほぼ前年並みで着地した。前期は徳用品の減量が響き苦戦したが、下半期には主力の「カントリーマアム」中心に巻き返し、年末には「ミルキー」が活性化。今年に入ってもこの良い流れは続いている。