新穀輸入大豆のたん白分は低下傾向か、29年産も品質を懸念-東京大豆卸商協同組合
東京大豆卸商協同組合は6日、月例合同会議を湯島・梅香殿で開き、業界動向について意見交換した。室岡雄二理事長は冒頭のあいさつで「シカゴ相場では$10相場となってきた。国産では、集荷予定数が下方修正されたが、量は十分あるのではないだろうか。ただ産地によってばらつきがあるので、注意が必要になる」と話した。
吉田薫専務理事は「シカゴ相場も為替市場も確りしている。(輸入大豆新穀は)カナダ大豆でたん白分が1%程低いと聞いており、サンプルによっては4~5%低いものある。ここまで低いと豆腐にならない。新穀は注意して販売したい。29年産大豆も集荷量が18万t台あれば不足しないだろうが、品質が気になる。全国的に中粒傾向だと聞いている」との見解を示した。
一次店からの原料動向については、29年産大豆は「10月末の集荷見込が下方修正されたが、28年産比では増える見込みだ。ただ粒形は中粒が多く、上位等級が少ないと聞いている。また東北や北陸では20cm 程度の積雪により、一部では水分過多による品質悪化が懸念される。12月から入札がスタートするが、28年産よりも増産見通しなので、高値にはならないのではないか」と報告した。
輸入大豆は「シカゴ$10台は、アルゼンチンでの乾燥天候によるものだろう。これからは南米天候に左右されるだろう。また米農務省需給報告や米国の利上げも注視が必要になる。カナダでは低温多湿天候により減産が見込まれ、たん白分低下も一部で見られる。高たん白品種では問題ないが、中たん白以下では注意が必要になる」と話した。
〈大豆油糧日報2017年12月8日付より〉