かどや製油、濃口600gなど家庭用好調、業務用は値下げ圧力警戒/小澤二郎社長
かどや製油 小澤二郎社長
小澤社長は、「17年度の売上高は単体で298億円となった。当社始まって以来の売上高。経常利益は52億円、原料ごまの価格が安定しており、以前価格が高い時に購入した原料は前期に大半を消化していたので、後期は安い原料を使うことができた。また、家庭用ごま油が好調だった。最近発売した濃口は評判が良く、600gを家庭用として発売したところ、販売好調だったので、濃口の400gも投入したら、これも良く売れた。純白のごま油の売上が減るのではないかと心配されたが、意外と影響を受けずに済んだ。そこで、メイン商品である200gに濃口を投入したが、これも好調に推移している」と家庭用の販売動向を説明した。
業務用では、「出荷は良かったが、原料価格が下がり始めたことなどで、業界全体に値下げ圧力が生じたことで、単価が下がった」と述べ、値下げ圧力に警戒感を示した。今期の見通しに関しては、「売上が伸びるのは当たり前だが、経常利益は少し前期に比べて圧縮されるのではないか。42億円辺りになるのではないかと思っている。最大限の努力をして前期に近づけられるようにしていきたい」とした。
〈業務用ごま油は冷凍ギョウザ、炒飯、麻婆豆腐の素などに採用で好調〉
次いで、佐野雅明取締役専務は17年度販売概要と市場・原料について解説した。
「600gペットは業務用として開発した。ところが去年からスーパーで600gを扱いたいという要望が多くなってきた。東京のあるスーパーでは、400gの金印を棚から外して、600gの金印しか置いていない。400gは濃口を置いてある。こうした状況を加味して3月期の数字を見ると、ごま油の数量は10%増となり、当社も家庭用は好調に推移したと言える。濃口400gは店頭に並び始めてまだ期間が短いので、これから拡売策を実施すれば、売上高の増加は期待できるだろう。濃口は中華料理や韓国料理に適したごま油なので、これからは、濃口や金印、それぞれに合った使い分けを訴求していかなければならない」とした。
業務用も4%増と好調に推移しているという。期初に考えていたよりも順調に推移しているとし、「食品加工メーカーが積極的にごま油を使った製品を販売し始めた。その中でも好調なのが、冷凍ギョウザ。炒飯、麻婆豆腐もすごくいい」とし、ごま油の需要が業務用においても高まっているとした。
輸出は数量ベースで5%増、金額ベースで10%増とバランス良く売れたとしている。特売をやるともの凄く売れるとし、5%増でマークしたという。
4月からの販売方針は、家庭用は600gを家庭用に入れ5%増を目標にする。競合他社の攻勢、小豆島工場の生産キャパの制約がありそれぐらいが妥当だろうと見ている。また、「今年度は原料が2割以上上がっているので、値上げをしなければいけない。物流コスト、製造で使用する燃料、電気代も上がる。包装資材も上がってくる。人件費も上がる。今年度中に値上げを考えないとやっていけない」とし、今期の値上げを示唆した。
販促プロモーションでは、「宝塚歌劇 貸切公演ご招待キャンペーン」を8月1日~12月16日実施する。対象商品は純正ごま油濃口200gなど9商品でウエブとハガキの両方から応募することができる。賞品は宝塚歌劇鑑賞ペア招待券で、AコースがSS席またはS席またはA席で関西では花組ペア941組1,882人、東京では星組ペア834組1,668人、BコースはB席、関西では花組ペア236組472人、関東では星組ペア131組262人。また、Wチャンスとしてオリジナルクオカード1,000円分をプレゼントする。
〈大豆油糧日報 2018年5月31日付より〉
【関連記事】
・かどや製油が売上・利益共に業績予想を上方修正、ごま油販売が想定上回る
・かどや製油、食品ごま大手のカタギ食品をグループ化、家庭用ごまを強化
・ごま油のペット容器化進む、食品ごま再編の動きに注目/ごま動向