18年産カナダ菜種生産予測、2,159万tと前年上回る見通し/日加菜種予備協議
〈主要生産3州での少雨傾向、米中貿易摩擦の影響など流動的要素残す〉
農水省内で27日に行われた記者説明会では、齊藤昭・日油協(日本植物油協会)専務理事、井上達夫・油糧輸出入協議会専務理事らが概要を報告した。なお日本側代表は、川邊修・日油協国際部会長(日清オイリオグループ)が務め、カナダ側団長はトレーシー・ルシエル氏(ルイ・ドレイファス社)が務めた。
18年産菜種の需給動向は、メアリー・バーレイ氏(カーギル社)が報告した。始めに作付・生育動向については、3月末の時点でサスカチュワン州、アルバータ州南部では平年並みの降雪量だったが、マニトバ州、アルバータ州北・中部では例年よりも土壌は乾燥しており、さらに4月から6月下旬にかけて、主要3州ではいずれも少雨傾向で推移したと報告した。
6月末時点の土壌水分は、主要3州のほとんどの地域で平年の40%以下と報告されているが、協議開催の前後から恵みの雨が降り始めており、今後の降雨により十分作柄は回復可能との見方を示している。
また、2,160万tの予測生産量を前提にした需要・輸出動向については、供給増加と良好な搾油採算を背景に、国内搾油は前年を上回る933万tを予測している。
輸出量はほぼ前年並みの1,105万tを予測、そのうち日本向けは例年並みの約230万t、中国向けは前年を上回る約470万tと予測、増加分はEU向けなどで相殺する形となっているが、欧州産菜種の作柄次第では、今後増加する可能性もあるとしている。
さらに、18年産の作柄は現時点では未確定であることや、米中貿易摩擦の行方も不透明であり、今回示した需給予測は変動の余地を残していることを強調した。
〈大豆油糧日報 2018年7月30日付より〉