東京・代官山「コメユキッチン」オープン、米油の魅力を発信/築野食品工業
築野食品工業は5日、米油・米ぬかに特化したアンテナカフェ・ショップ「コメユキッチン」(東京都渋谷区代官山)のオープンにあたり、記者発表会・試食会を開いた。「コメユキッチン」では、米油の特徴を生かした、前菜・揚げ物・デザートのメニューを提供するほか、同社製品の販売を通じて米油の魅力発信に努める。
発表会の冒頭、築野富美社長があいさつし、「コメユキッチン」について、「『こういうことがやりたかった』という思いを形にした取り組み。提供するメニューは徹底的に米油を使用しており、『米油づくしのメニューがあっても良いのでは』という思いで作り上げた」と述べた。
また、「今年70周年を迎える当社だが、これまで米油の良さを、科学的にどのように解明できるか悩んできた。この中で、今日も駆けつけてくれた、成蹊大学理工学部の原節子教授が米油の研究をしていると聞き、企画開発のアドバイスを頂いている。また、料理研究家の足立敦子先生も、関西を中心に米油を使った授業を10年以上も行い、米油の魅力を発信することに努力してくれている。機能性の面では原教授、料理特性の面では足立先生に協力してもらっている。コメユキッチンも通じて、日本の宝である米ぬかから出来ている米油の良さを知ってほしい」と述べた。
築野富美社長
〈米油は加熱安定性に優れ栄養成分・機能性に富む、自給率向上に貢献〉
続いて、広報部の築野靖子氏が、店舗や米油の特徴を説明した。「『コメユキッチン』では、貴重な国産資源の米ぬかを気軽にライフスタイルに活用できる方法を提案していく。このため、提供するメニューは、誰でも簡単に作ることができるレシピとしている」とした上で、米油については、一反の田んぼからペットボトル2本分しか獲れない貴重な油で、「ビタミンE」や「スーパービタミンE」「トコトリエノール」「y-オリザノール」といった、健康や美容にうれしい成分が豊富で、さらには国産資源の米ぬかを食として活用することで自給率向上に貢献し、社会的意義が高いと強調した。
加えて、「米ぬかからできていることから、においを気にする人がいるが、くせはなく、優しい風味で、和食からイタリアンまで幅広く使える」と補足した。このほか、ミシュラン料亭などでも米油が採用されていることや、米ぬかの活用として、同社が展開している化粧品「inaho」シリーズ、米ぬかの栄養成分が簡単に取り入れられるサプリメントなどを紹介した。
さらには、築野社長、原教授、足立先生によるパネルディスカッションが行われた。原教授は、米油の良い点として、「加熱への安定性がある。学園祭で学生が米油でポテトを揚げたところ、おいしく作り続けることができた。さらに、米油で体に良い成分を上手く摂取できる」とコメントした。
足立先生は「狭い会場で料理教室を開催しても、においが気にならない。また、一概には言えないが、血糖値など健康診断の数値が整ったという声も聞いた」とした。
築野社長は、「食用油の中でも、栄養成分や機能性に富んでいるのが米油。まだ解明されていない成分にも目をつけて分析していきたい」とした。
[店舗概要]
△住所=東京都渋谷区代官山20-20モンシェリー代官山「代官山地下グルメ街」内
△営業時間=午前11時~午後9時。
〈大豆油糧日報 2018年9月7日付より〉