〈イオン「トップバリュ」戦略発表会〉「グリーンアイ」を一層強化、品ぞろえ拡充で売上増加図る
イオンは25日、PB「トップバリュ(TV)」戦略発表会を、イオン葛西店(東京都江戸川区)で開き、有機・オーガニック食品や添加物不使用の加工食品などで構成されるTV「グリーンアイ」ブランドを一層強化する方針を示した。
同社のPB「ベストプライス」など一般的なPB商品は価格競争力をさらに強化する一方で、ニーズの高まるヘルス&ウエルネス分野では、「グリーンアイ」ブランドは今年8月末現在で、有機認証を受けた商品「オーガニック」で約190品目、化学合成された薬品や飼料などの使用を可能な限り抑えた生鮮品・加工食品の「ナチュラル」約140品目、添加物や原料に配慮した「フリーフロム」約90品目まで品ぞろえを拡充。さらに9月には「オーガニック」15品、「フリーフロム」ではマヨネーズや食パンなど37品を順次発売する。さらには10月からは同グループの主要全店(イオン、イオンスタイル、マックスバリュ、ダイエーなど)で、有機タマネギ・ジャガイモを初めて通年販売することなど、販売量を拡大することにより、有機・オーガニック商品の売上構成比を現在の1%から、20年に5%に拡大することを目指す考えを示した。
合わせて、同グループの持続可能な調達方針の進捗状況も説明し、その中でパーム油については、今年8月に民間認証RSPOへの加盟を申請、来年3月から認証油の調達を開始する考えを示した。同グループでは20年度までに、RSPO認証油の100%調達を目標としている。
〈無添加ブランド「フリーフロム」からマヨネーズ、即席麺など新発売〉
説明会では、環境・社会貢献・PR・IR担当の三宅香執行役員がこれまでの「グリーンアイ」ブランドの取り組みについて、「有機食品・オーガニックについては、消費者は買ってみたい、生産者も作ってみたいと考えており、当社も長年取り組んできたが、なかなか売上が増えない。消費者ニーズからすると価格が高くて、手が出ないという声を多く聞く。高いと売れない、売れないと鮮度も低下するという悪循環に陥っていた」との見解を示した。
その上で、「当社では1年ほどかけて、悪循環からの突破口を研究した結果、これまでの店舗・販売計画に合わせた仕入れを見直し、有機商品については産地基点で生産者の組織化と全量買い付けに転換、物流の効率化・簡素化も図り、不揃い品でも求めやすい価格で販売量を拡大する手法を取る。17年度は309店舗だった販売コーナーを、今年度は600店舗まで拡大する。これにより産地からの物流効率も改善する。さらには、国内産地だけでは限界があり、オリーブ油やドレッシング、豆乳(米国・中国産有機大豆)など、海外調達も拡大していく」とした。
続けて、三宅執行役員は「フリーフロム」ブランドについて、「着色料・保存料・合成甘味料といった添加物、アミノ酸系調味料、トランス脂肪酸が含まれる原料など109種類の素材を省いて製造し、16年度から順次発売しているが、今回もマヨネーズ(アミノ酸など不使用、税込170円)、即席麺(調味料、着色料、合成保存料など不使用、5食入り同375円)などを新発売、食パン(イーストフード、香料・着色料、マーガリン・ショートニングなど不使用、オリーブ油使用、6枚入り同159円)をリニューアル発売する。味にこだわって開発しており、安心して召し上がっていただけると思う。今年度末までに約150品に拡大、売上も前年度の2倍を見込んでいる」と述べた。
〈大豆油糧日報 2018年9月26日付より〉