ハナマルキ、タイに液体塩こうじ工場を新設、20年1月出荷開始

ハナマルキ タイの液体塩こうじ新工場(完成イメージ図)
ハナマルキは25日、液体塩こうじを製造する新工場をタイに建設すると発表した。敷地面積は約1.6万平方メートルで、19年1月から着工し、20年1月の出荷を予定している。加えて、ベトナムに物流倉庫も確保し、東南アジア圏内での液体塩こうじの安定供給を目指し、生産・物流両面で強固なインフラを構築していくとした。

売上計画は22年に20億円とし、国内15億円、海外5億円を計画しており、海外売上比率は現在の10% から25%に引き上げる。

〈液体塩こうじの機能性を評価、タイ国内需要も高まる/花岡専務〉
会見に出席した花岡周一郎専務は、「現状、中食市場での採用が増えている。肉を柔らかくする、うま味が出る、臭みを消すとった機能性を評価していただいている。畜肉加工、水産加工の海外への生産シフトは、以前は中国が多かったが、現在はタイやベトナムで生産して日本に持ってくるケースが多くなっている。そういった需要に対応するために、15年に『ハナマルキ タイランド』を設立、さらにタイ向けの輸出が伸びていることから今回の工場建設が決まった。タイ国内で液体塩こうじの機能性が評価され、タイ国内の中食市場でも需要が高まっているほか、欧州や米国ではクリーンラベルの対応ということで、添加物フリーといった取り組みが高まっており、液体塩こうじへの引き合いが盛んになっている。こうしたことも工場建設の背景にはある」とした。

また、同社では「中国、東南アジア地域を中心に欧州、米国への輸出を加速させ、液体塩こうじで『世界的な食の産業革命』の実現を目指す」と意気込む。

技術面では、ハラル認証の取得も計画しており、「イスラムの戒律に沿った調理に使える調味料は限られており、液体塩こうじにはチャンスがある。20年1月からの出荷を予定しており、訪日外国人が増加する状況でイスラム教徒の人が日本食を楽しんでいただける機会の提供にも繋げていきたい」としている。

同工場が建設される予定のサラブリ工業団地は、バンコクから北に約90kmの地点にあり、ここからタイ北部、東北部にかけての地区は鶏肉の一大産地で、加工工場が集約しているという。タイ国内全域や2つの主要空港へのアクセスにも便利なロケーションで、工業団地の周辺には各種専門学校や大学、研究施設が立ち並び、それらを通じて優秀な技術者などの労働力確保も比較的容易なエリアとしている。団地内には約100の工場が操業している。団地内のインフラ設備も充実しており、特に近郊にあるパサック・チョラシット・ダム(貯水量8億t)から供給される工業用水が豊富だ。同工業団地は周辺地区より海抜が高いため12年の大洪水のときに被害はなかったとしている。

〈大豆油糧日報 2018年10月26日付より〉