ハナマルキ、創業100周年記念で“みそ作り体験館”開館、「次の100年へ」意識した未来型施設
ハナマルキは1日、同社伊那工場で、創業100周年を記念し建設された「みそ作り体験館」の完成発表会を開いた。伊那工場の敷地内に建てられた同体験館は、雪化粧を山々のような白いフォルムが特徴で、同社の100周年のキャッチフレーズ「次の100年へ」を意識した未来型の施設となっている。2階の体験スペースでは、ワイドウィンドウから南アルプスの雄大な自然を眺望しながらみそ作り体験をすることができる。また、みそ作り体験館の建設に伴い、伊那工場内・見学通路に映像設備を新たに設置し、映像で工場内を紹介できるように整備した。同社では、「見学者通路の案内も体験コースに組み込み、より充実した体験になるよう企画している」としている。
完成発表会の冒頭であいさつした同社の花岡俊夫社長は、「11月1日は創業100年の日に当たる。祖父と父と私で、約32年ずつ経営してきた。皆様方のお力添えで、みそ作り体験館を100周年記念として建設することができた。設計施工は竹中工務店にお願いし、施主としても満足のいく立派な建物に完成していただいた。これからの100年は、子供たちのみそに対する理解を深めてもらうために『みそ作り体験館』という名前にした。これからの100年を担う子供たちの食育を兼ねた建物。これからも全力を挙げて食育活動に取り組んでいきたい」と述べた。
ハナマルキ・花岡俊夫社長
続いて、白鳥孝伊那市市長があいさつし、「ハナマルキさんには春の高校伊那駅伝、また小学校の子供たちに向けた本『おかあさんの詩』の提供など、いろいろな場面でご協力をいただいており、心から感謝をしている。この体験館からの眺望には感動した。南アルプスから中央アルプスまで全部の山が一望できる。これほどのロケーションはない。素晴らしい設計、色あいも清楚な白で、改めて素晴らしいと思った。次の100年に向けて、伊那市から世界に向けて情報を発信しながら、業績をどんどん伸ばしていただければ」と述べた。
〈年間で3,000人の来場見込む、厨房機器完備で多岐に渡る利用を想定〉
「みそ作り体験館」は、建築面積351.13平方メートル、延床面積は378.56平方メートル、鉄筋2階建て、収容人員は40人としている。
体験は午前、午後の1日2回制としており、1回20人、1日40人としており、初年度は年間で3,000人の来場を見込んでいる。営業時間は月・水・金、祝日は休業。午前の部は10時から、午後の部は1時半から開催する。工場見学を含む体験時間は1回90分としている。体験料は2,000円(税込)で小学生以下は無料。ただし、付き添いが条件となる。体験料には3カ月後出来上がったみそを発送する料金も含んでいる。
体験内容は、まず、体験館1階の大型モニターで、みその歴史・基礎知識を見てもらい、その後、 伊那工場内の見学者通路で、工場ではみそがどのように作られているのかを映像で見てもらう。
そして、体験館の2階体験スペースに移動し、みそ作りを体験してもらう。体験時に仕込んだみそは、館内の醸造用専用発酵室にて管理し、約3カ月の発酵期間を経て、郵送で体験者の元に届けられる。
2階体験スペース
平田伸行取締役マーケティング部長は、「2階には厨房機器も完備している。みそ作り体験には必要ないが、この建物は多岐に使いたいと思っており、現在力を入れている液体塩こうじで作ったメニューを食べていただくイベントなど、違う要素も想定しながら、体験館は建設されている」とし、今後の展開に大きな期待を寄せていた。
〈大豆油糧日報 2018年11月5日付より〉