18年産カナダ菜種油分は44.2%に低下、高温天候の影響受ける/日加菜種協議
第42回日加菜種本協議では、18年産カナダ菜種の需給見通しのほか、カナダ側からは油分など菜種の品質検査結果が報告され、日本側からは18年に入港したカナダ菜種の品質について報告した。
18年産菜種の品質結果は、カナダ穀物委員会のベロニク・バセット氏が報告した。検査は10月26日現在のもので、9月の低温多雨の影響により収穫が遅れたアルバータ州からのサンプル提出が遅れており、今回報告する数値は途中経過だと位置付けた。
その上で1等級比率は89%と90%台半ばだった前年産より低下しており、1等級比率が低い傾向にあるアルバータ州からのサンプルが届けば、さらに低下するとみている。
平均油分は44.2%で良好だった前年産を0.8ポイント、5年平均値を0.3ポイント、10年平均は0.2ポイントそれぞれ下回っている。生育期の高温乾燥の影響を受けたもので、これもアルバータ州からのサンプルが届けば、前年産比でさらに低下し、44.0%程度になると予想している。9月出荷分から旧穀とアルバータ州の新穀が混ざった状態にあるが、その時点で油分の低下が見て取れたとしている。
平均たん白分は20.9%でほぼ前年を0.8ポイント上回っている。油分が低下すると、たん白分は上昇する傾向を映したもので、8月以降の出荷分から、たん白分は上昇していると付け加えた。
クロロフィル含有量は10ppm で前年産を上回っている。近年は低下傾向にあったが、9月の低温が影響している。サンプルの数値はばらつきが大きいが、今後上昇する可能性があるとの見方を示している。
質疑応答では日本側から、新穀が混ざっていると思われる10月入港の原料で既に油分は低下しており、懸念を示した上で、こうした品質の変化は天候によるものか、遺伝的形質によるものか質した。これに対してカナダ側は、複数の要因があるとの考えを示し、アルバータ州は南部で高温に見舞われ、同州北部産との品質の違いは天候によるものだが、脂肪酸組成の変化は遺伝子の要素が働いているものと考えられると回答した。日本側は改めて品質の安定を求めた。
〈18年入港の菜種品質、高油分・低クロロフィルと好ましい傾向/日油協〉
日本植物油協会(日油協)からは、18年1~9月に入港したカナダ菜種の品質が報告された。それによれば平均油分は44.9%となっており、過去10年の平均値(44.3%)と、過去最高だった12年の44.7%を上回る結果となった。クロロフィル含有量も12.6ppm と、過去最低水準だった前年の11.5ppm は上回ったものの、過去10年平均の16.7ppm を下回るなど、低下傾向を維持している。
また、近年上昇傾向にあった水分は7.8%で、前年の7.9%を若干下回る値だったが、きょう雑物は1.82%と前年並みだが、過去10年平均の1.65%を上回っており、高い水準で推移している。
全体評価としては、前年産と同様に高油分、低クロロフィルは好ましい傾向だが、きょう雑物が高めで推移していることについて、カナダ側に改善を要望した。
〈大豆油糧日報 2018年11月28日付より〉