18年の豆腐業界、猛暑で販売好調も単価は下落、商品の多様化さらに進む

18年の豆腐業界は、レンジで簡単にスンドゥブなど豆腐メニューが作れる総菜製品や、若い世代をターゲットにした新基軸の製品、機能性表示食品など、商品の多様化が進んだ。消費面は、家計調査によれば、1月~10月累計の豆腐支出金額は1.4%減となった。購入数量は5.9%増と伸びたが、単価下落が止まらず、課題を来年に先送りした格好だ。

主要メーカー各社によれば、夏場は猛暑だったことからベーシックな絹・木綿豆腐が好調だった。とりわけ木綿豆腐については、17年末に健康を切り口にメディアで取りあげられたことによる追い風も寄与した。

豆腐の家計消費支出の推移(全国1世帯当たり)

売り場を見ると、国産大豆を使用した豆腐が定番化していることに加え、夏場は相模屋食料の「おかずやっこ」シリーズが好調な動きを見せるなど、簡便なセット製品の存在感が増している。また、同社が上市した豆腐市場における新カテゴリ製品「BEYOND TOFU」の新商品「BEYOND PIZZA」が話題を集めた。
 
さとの雪食品は、機能性表示食品シリーズの育成を継続しており、固定客がつき始めている。
 
乾燥おからは、ダイエットなどを切り口にテレビ番組で取りあげられたことで、爆発的に需要が拡大した。供給が追いつかず一時販売休止の事態となった。今後の消費動向が注視される。
 
一方で、家計調査で単価下落が続いているように、安価な豆腐の販売がまだまだ散見される。業界の発展のためには、適正価格での販売が今後の課題となる。その一助として業界では、「豆腐公正競争規約」の策定に向け、議論が重ねられている。規約により、商品価値が明確化できれば、無意味な価格競争を防ぐことにつながるとして期待されている。
 
〈大豆油糧日報 2018年12月27日付より〉