ミヨシ油脂、焙煎風味マーガリン「デフィ」発売 香ばしさやコク、甘みを付与/2018年度マーガリン業績

大豆油糧日報 2019年6月10日付
ミヨシ油脂の18年度(12月期)の販売動向は、夏場の猛暑やパン需要の伸び悩みが影響し、減収となった。利益面は、乳製品をはじめとする原料コストの上昇で厳しい状況だった。

そのような中でも、機能性油脂の需要が高かった。マーガリン「クラージュ」や、食用加工油脂「サクセフレッシュ」などは、生地のソフト化やしっとり感を付与する機能を有しており、穀物などの健康素材を配合しても、おいしい生地作りに貢献できるとして、注目が集まっている。

また、フードロスが問題視され、賞味期限延長が求められる中、食感を維持するこれらの製品や風味を持続させる油脂の需要が今後も強まるとみている。

昨年に発売した、マーガリン「クレッシェンド」は、乳原料や動物性原料を配合しておらず、乳アレルギー対応の製品をそろえたいニーズを掴んでおり、今後も提案を強化する。

今期は、焙煎風味のマーガリン「デフィ」を新発売した。厳選した素材の組み合わせにより、香ばしさやコク、甘みを付与する。パンの発酵による酸味や、生地原料由来のにおいをマスキングするため、ふすまや大豆粉など低糖質素材とも相性が良い。少量添加でも効果を発揮する。パン、菓子と用途が広い。

「ドーナツメートDX」は、綿実油を配合しており、フライ後の食品にコクと特有の風味を付与する固形状のフライオイル。フライ後の油の染み出しや、砂糖の泣きが少なく、最終製品の見た目も維持する。

冷凍生地用改良剤「エレメントFS」は、少量添加でもパンの冷凍障害を抑制し、おいしさを保持する。ボリュームがあり、ソフトで焼き色が良く、均一なキメのパンに仕上がる。そのほか、食品素材のみで作ったパン用つやだし素材「ミヨシつやだしクリーム F」などを投入した。

今後の施策については、「製パン製菓において、油脂が発揮できる機能はまだまだある。全社では、食品市場も含めた提案を強化していく」と述べた。

〈大豆油糧日報 2019年6月10日付〉