カネカ 東京2020オリンピックに向けて土産菓子を強化、自然なバター風味の「コンセブール」に重点/2019年度マーガリン方針
カネカのマーガリン・ショートニングを含むニュートリションSUの前期売上金額は、減収となった。国内の製パン市場の低迷に加え、自然災害や夏の酷暑などの影響を大きく受けた。製パン市場が苦戦する中、大手製パン、コンビニエンスストアや食品メーカーへの積極的な提案型営業による需要喚起を図った。
今期は、市場別ターゲットに対し、ソリューション提案に力を入れる。具体的には、人手不足、コスト削減、食品廃棄削減といった課題に対してソリューション提案を進める。また、健康志向に応える製品や、東京2020オリンピックに向けて土産菓子の提案を強化する。
製品面では、乳・バター風味を強化したマーガリン製品の販売に引き続き力を入れる。中でも、独自の香味材を使用して自然なバターの風味を再現した「コンセブールV」と、バターを配合した「コンセブールVH」の練り込み、折り込みタイプ計4品を重点販売する。
また、つくりたてのおいしさを保つ機能性油脂「イニシャル」シリーズの販売にも力を入れる。同シリーズは、土産菓子市場に重点を置き、機能性を武器に提案活動する。機能性を訴求する製品では、耐熱性を向上させしっとりソフトな食感を実現する起泡性乳化油脂「クレビスGL」にも力を注ぐ。
乳製品事業では、好評な「パン好きの牛乳」に続いて醗酵バター、「パン好きのカフェオレ」を発売した。今後、ネット通販などのデジタルマーケティング活動も強化し、ヨーグルトなど新たな乳製品のラインアップを充実させる。
海外事業では、インドネシアの加工油脂新工場の建設工事が順調に進んでいる。
〈大豆油糧日報 2019年6月17日付〉