全国胡麻加工組合、原料の安定供給と安全確保で残留農薬対応に集中/2019年度方針
全国胡麻加工組合(藤波一博理事長)は6月17日、栃木県日光市のホテルで総会を開いた。
原料の安定供給と安全を確保するため、残留農薬対応に集中する。藤波理事長(波里社長)は「残留農薬の基準値見直しへの対応に集中している。2,4-D(現行0.05ppm→改正案一律0.01ppm)とクロルピリホス(同0.1ppm→同0.01ppm)の猶予期間をもらうため、当組合、日本ごま油工業会、油糧輸出入協議会が一体となり、パブコメ、要望書の提出など、対策を講じている。調査研究、産地と意見交換し、安全確保を図りながら、業界の安定につなげたい」と述べ、原料の安全確保に努める考えを示した。
品質向上委員会では、前年度に引き続き今年度も残留農薬関連の活動に集中する。カタギ食品の瀬戸口浩上席執行役員は基準値改正について、「ごま業界にとって原料の安定供給、原料価格高騰の不安、基準値改正後の基準値違反の増大が懸念される」と強調。今年度予算に、関連の作物残留試験及び調査費用として200万円を計上した。同組合、日本ごま油工業会、油糧輸出入協議会が各200万円費用を負担し、合計600万円を費やして臨む。
任期満了に伴う役員改選では、藤波理事長が続投するほか、服部友久副理事長(浜乙女会長)が退任し、副理事長に武内秀行専務理事(みたけ食品工業社長)、冨田博之流通委員長(真誠社長)が就任し、副理事長は2人体制となった。服部副理事長に代わって、浜乙女の服部辰雄専務が理事に、カタギ食品の高田直幸社長に代わって同社の瀬戸口氏が理事に就いた。
総会終了後、伊藤忠食糧の「ごま市場拡大に向けたWEB施策効果検証の報告」として、家飲みに特化したWEBメディア「イエノミスタイル」を運営するコンテンツブレイン(東京都新宿区)の小池勉社長が、SNSを活用したごまのマーケティング施策を紹介した。
具体的には、「イエノミスタイル」で「家飲みごま部」(ごまを積極的に体験したくなるコンテンツの提供)を展開し、その効果を検証、報告した。
〈大豆油糧日報 2019年6月20日付〉