日本最大のオリーブ油イベント「OLIVE JAPAN2019」、西武池袋本店と日本オリーブオイルソムリエ協会が初の共同開催
日本オリーブオイルソムリエ協会は19日~24日までの6日間、東京都豊島区の西武池袋本店で、日本最大のオリーブ油をテーマにしたイベント「OLIVE JAPAN2019」を開催している。今年で8年目を迎えるが、初の百貨店の催事企画として、西武池袋本店と共同開催という形で実施することになった。
「OLIVE JAPAN」は、毎年4月に開催される世界最大級の国際オリーブ油コンテスト及び、オリーブ油生産者や販売者が同コンテスト受賞油に限定して出展販売を行う「国際オリーブショー」が中核イベントとなる。西武池袋本店の会場では、従来のように今年のコンテストで受賞した100種類以上の国内外のエキストラバージンオリーブ油を販売するだけでなく、百貨店の強みを生かし、それらのオリーブ油を使用した同店限定メニューとして、イートイン13品、実演12品を提供した。また、コンテストで最優秀賞及び金賞を受賞した187種のオリーブ油すべてを日替わりで試飲できるテイスティングコーナーも人気を集めた。
同協会の多田俊哉代表理事理事長によると、「OLIVE JAPAN」へのスペインやイタリアからの出品者数はそれぞれの国内で行われるコンテストの出品者数よりも多いという。いまや同コンテストは、約700品が出品される世界で3番目の規模のコンテストとなっている。
日本オリーブオイルソムリエ協会 多田俊哉代表理事理事長
こだわったオリーブ油をつくる生産者にとっては、クオリティーの高さを証明するために同コンテストの受賞が重要視されているという。また、ニューヨークやロンドンなど消費地メインで開催する後発のコンテストが増えているのは、より公平公正にコンテストの運営が期待されているためと説明する。
「ピクアル プレミアム」で4年連続6回目の最優秀賞を受賞したメルガレホは、スペインのハエン県で5世代続く家族経営のオリーブ油ブランドだ。アンドレス・マルトス・メディナ商品生産部長は、「一番大事にしたいのは健康に貢献、寄与することだが、おいしくなければ消費者がついてこなくなる。賞を取るという観点では、ポリフェノールたっぷりで苦くて辛くても、味わい的にリッチでフルーティー、豊かな香りがなければ賞は取れない」と述べる。
同社はハイクラスから普及品まで約1,000tのオリーブ油を製造しており、スイス、ドイツ、フランス、米国、メキシコ、台湾、日本に輸出を行っている。「品質を分かってくれる国にフォーカスして伸ばしていきたい」としており、日本は米国に次ぐ2番目の輸出先だという。最優秀賞を受賞した商品であっても、4年前のクオリティーでは現在の最優秀賞を受賞できないほど生産者のクオリティーは上がっているという。そのため、「今後はさらに質を高めていきたい」と意気込みを述べる。
〈オリーブ油を使用したソフトクリームやかき氷、中華そばの限定メニュー提供〉
西武池袋本店の広報によると、百貨店が得意なこだわり食材や商材を対象にした催事は好評で、日本酒に特化した催事なども毎年数字を伸ばしているという。さまざまな催事を行いたいと考えていた中で、日本オリーブオイルソムリエ協会の協力によって共同開催が実現した。
催事担当者は同店限定メニューについて、「ソフトクリームやかき氷、中華そばなど、オリーブ油と食の可能性を考えて企画した。品質の担保がなければ成立しないと思っていたが、コンテストで受賞したオリーブ油であれば、安心してメニュー開発に取り組めた」と振り返る。中でも、同店限定で提供している中華そば四季の「メルガレホのクリームまぜそば」は1カ月半かけて形にしたという。また、かき氷工房雪菓の「バジルチーズ」は、オリーブ油と3種類のチーズが絶妙と訴求する。
かき氷工房雪菓「バジルチーズ」はオリーブ油と3種類のチーズが絶妙だという
〈大豆油糧日報 2019年7月23日付〉