「ソイオイルマイスター2019表彰式典」開催、日本発のプログラムを米国にも逆輸入/USSEC
開会あいさつは、全米大豆基金財団ディレクターのナンシー・カヴァザンジャン氏が行い、「米国と日本は60年間もの長い間、友情とパートナーシップを育んできた。USSECと連携し、ソイオイルに対する認識を変えてもらうためのさまざまな活動を行っている。ソイオイルマイスターの目的は、一般の人も含めてのソイオイルに対する認識と行動を変えてもらうことだ。こういった取り組みを通し、周りの人により分かりやすくソイオイルの説明をいただけると思う。米国のソイオイルの素晴らしい品質、持続可能性についてもしっかりと考えた上で生産していることを理解してもらいたい。同プログラムは成功裏に進んでおり、皆さんやその顧客にとっても、ソイオイルに対する認識、行動を変えてもらい、カスタマーに対するニーズを満足させることがソイオイルにできるということがわかってもらえるはずだ」と述べた。
USSEC北アジア代表のロズ・リーク氏は、「ソイオイルマイスターのプログラムは日本で今年3年目となる。私たちはこの取り組みを誇りに思っている。他の国でも拡大しており、韓国では昨年から、台湾では今年からこのプログラムを展開している。そして、米国でも展開しようと思っている。日本で始まったこの取り組みを、米国に逆輸入することになる」と述べた。
USSEC食品ディレクターの立石雅子氏は結果報告として、「126人の申込みがあり、113人が受験した。昨年より少し減ったものの、105人の合格者は過去最高となった。この3年で287人のソイオイルマイスターが誕生している。受験者の属性は、搾油メーカー2割、加工油脂・食品メーカー2割、食品問屋・商社が1割、豆腐マイスターは10人受験した。食品業界が6割を占めるが、レストラン、製薬、メディア、IT、金融、省庁、農業関係者、学生、主婦など、幅広い人が受験している」と述べた。
〈米国視察研修報告に続き三基商事と埼玉糧穀にサステナビリティ特別感謝状を授与〉
祝辞では日本植物油協会の齊藤昭専務理事が、「植物油の世界的な需要はこの数十年で伸びてきた。これは、不飽和脂肪酸を中心とする植物油が工業化できた科学の勝利で、食事に不飽和脂肪酸としてのエネルギーを供給することができたことによるものと思っている。江戸時代から戦前まで人生50年だったが、戦後に植物油が大量に出てきたことで急速に寿命は延びていった。食生活をベースに、不飽和脂肪酸を中心とするエネルギーが供給されたことが重要なポイントだと思う。戦後は米国の大豆にお世話になり、日本で長寿を更新している人は大豆油で育っている。残念ながら250万tの植物油のうち大豆油は40万tと、安定はしているが、メインではなくなっている。当協会としては再復帰してもらいたい。野菜ソムリエと共同で試食会を実施しても、若い人から改めて大豆油はおいしく、コクがあると見直してもらっている。大豆油の復権は必要で、ソイオイルマイスターに力になってもらいたい」と述べた。
新企画の米国視察研修報告は、日清オイリオグループの本多数充氏により、研修旅行の概要、土壌保全や育種技術など研修開発状況、ニューオリンズの貨物検査分析会社やインディアナ州の搾油工場などの施設について、詳細な報告が行われた。また、今年からサステナビリティ特別表彰を新設し、米国からソイプロテインを輸入販売している三基商事と、長年米国から食品大豆や油を輸入してきた埼玉糧穀に、USソイサステナビリティ特別感謝状が授与された。
〈大豆油糧日報 2019年11月21日付〉