全国豆腐連合会が文科大臣などに新型コロナに関する要望書提出、学校給食中止は事業者に打撃

農水省に要望書を提出する全国豆腐連合会執行部
〈学給依存率41%以上の豆腐事業者は半数近い、「実効的な支援策を早期に」〉
全国豆腐連合会(全豆連)は3月10日、新型コロナウイルス感染症拡大により、全国の小・中学校で休校措置がとられたことで、学校給食に納入している豆腐事業者に影響が生じていることに関して、農水大臣、文科大臣、豆腐議連宛ての要望書を提出した。

要望書では、学校給食を担う豆腐事業者において、学校給食の売上比率は高く、現在の状況が続けば、深刻な事態が危惧されることから、実効的な支援策が早急に講じられることを求めている。

要望書の提出にあたり、橋本一美業務執行理事、大石眞太郎理事、青山隆相談役、相原洋一事務局長が農水省、文科省、豆腐議連を訪問した。橋本業務執行理事は、全豆連が実施した学校給食中止の影響に関する調査について、「学校給食依存率41%以上の豆腐事業者が45.2%にも及んでいることが分かった」と報告した。

調査は、全国の豆腐事業者約100軒以上にヒアリングし、73軒から回答を得た。それによれば、2019年3月における、全売上高に占める学校給食の割合が20%以下の事業者は13.7%、21~40%の事業者は41.0%、41~60%の事業者は23.3%、61%~80%の事業者は13.7%、81~100%の事業者は8.2%だったという。これらの調査結果を示した上で、「この事態が続けば豆腐事業者に大きな打撃となる。会員から何とかして欲しいという声が挙がっている。実効的な支援策をお願いしたい」と訴えた。

加えて、青山隆相談役は「私の店でも10校に納めている。特に都内は学校給食に供給している町店が多い。町店は小売用の売上が厳しい中、学校給食に頼っている」と実情を訴えた。

大石眞太郎理事は、「学校給食用の豆腐は、未包装バラで納入している関係で、小売用に転売できない」とし、今回の事態による豆腐事業者ならではの難しさを伝えた。

要望書を受け取った、農水省食料産業局食品製造課の東野昭浩課長は、学校給食の割合が大部分を占める事業者においては、今回の事態によって、3月の売上が得られない可能性があると危惧し、さらに支出の面の負担としては、納入予定だったもののキャンセルによる実損、大きなウエイトを占める従業員の給与、減価償却費などが考えられるとした。

その上で、「収入の面の補てんは難しいが、支出の面において、出来る限りのことを政府としてやっていきたい」と述べた。

〈大豆油糧日報2020年3月12日付〉