セブン・ファミマ・ローソンが大豆ミートに本腰、ハンバーガーやおにぎり、弁当など“すぐ食べられる”商品形態で

ファミリーマート「大豆のお肉!7種野菜のビビンバ丼」
コンビニ大手3社が大豆ミートに本腰を入れ始めた。ハンバーガーやおにぎり、弁当、総菜など、購入してそのまま食べられる商品形態が目立つ。身近なコンビニが商品化し、手軽に試せる環境が整ったことで、大豆ミートのさらなる認知向上と市場拡大が期待される。

ファミリーマートは3月に大豆ミートを使用し、肉を一切使わないハンバーグを用いた「ベジバーグ丼」を都内で発売した。同社として初めて、日本ベジタリアン協会推奨マークを取得した商品だ。購入者の約6割が女性と人気が高く、販売終了後も大豆ミートを使用した商品を希望する声が寄せられたことから、同マーク取得弁当第2弾として、大豆ミートを使ったカレー「大豆のお肉!キーマカレー」を東京都と神奈川県で販売した。「定温弁当よりもチルド弁当は野菜を入れられる。見せ方の工夫や女性に購入してもらえるように、定温弁当よりも彩りを気にしている」という。

開発に当たっては、「商品に大豆のお肉のネーミングを使っているので、肉の味わいや食感を再現できるかに苦労した」と振り語る。大豆ミートを使った別の商品も社内では検討しているという。「SDGs(国連で採択された“持続可能な開発目標”)の要素があるので、コンビニ業界全体で取り組みが広げれられれば話題づくりになる」と、競合を意識するのではなく、業界として盛り上げていきたい考えだ。

さらに7月21日からは、地区限定商品として発売していた「ビビンバ飯」を、新商品「大豆のお肉!7種野菜のビビンバ丼」として全国発売した。

〈バーガーパティやカツは親和性が高く採用、幅広いユーザー狙った商品展開〉
ローソンは7月21日から、大豆ミートを使用したハンバーガー、おにぎり、から揚げの計4品を全国のローソン店舗で発売した。

ローソン「DAIZUMEATかつのバーガー」

ローソン「DAIZUMEATかつのバーガー」

ローソンは元々、ナチュラルローソンで玄米やもち麦、ひよこ豆など、健康系の原料を使用した商品を数多く展開しており、大豆ミートを使った商品も発売していた。今回の大豆ミート使用商品を投入する狙いについては、「社会的に健康意識の高まりや環境への負荷軽減などで大豆ミートが注目されており、コンビニで気軽に購入してもらえる商品を今回発売した」とする。
 
商品形態については、「大豆ミートのバーガーパティやカツは、調理パンの具としてもよく使用されており、親和性が高かったためメニュー採用した」という。また、「女性に人気の鶏そぼろのおにぎりがあり、大豆ミートを使って今回の商品にアレンジした」と説明する。
 
ターゲット層は20代~40代の女性とし、から揚げについてはさらに20代~30代男性も想定しているという。大豆ミートを使った商品の今後の展開については、「消費者の購入動向などを見ながら、大豆ミートなどの代替食を使用した商品開発を今後も進めていく予定」と前向きだ。
 
セブン-イレブンは、6月8日に「セブンプレミアム」のチルド総菜で大豆ミート使用商品を発売した。さらに8月25日からは順次、九州7県のセブン-イレブンで、「冷やしごま豆乳担々麺大豆ミート使用」など大豆ミートを原料とした、おにぎりや弁当、総菜などオリジナル商品8品を発売。年内には全国展開も予定している。

セブン-イレブン「冷やしごま豆乳担々麺大豆ミート使用」

セブン-イレブン「冷やしごま豆乳担々麺大豆ミート使用」

九州で先行した理由は、オフィス立地や住宅地、郊外立地まで複合的な立地を含み、全国の縮図となる店舗展開を行っている九州で成功すれば、全国展開もうまくいくと見込めるためだという。また、九州の店舗は歴史があり、「商売熱心で新しいものを取り入れる気概がある」と期待している。多様なユーザーがターゲットのため、「商品展開も幅広くした」と説明する。
 
〈大豆油糧日報2020年8月25日付〉