Jオイルミルズ「異なる経験・視点持ち込み相乗効果を発揮、油脂事業の立て直しが喫緊の課題」/2022年3月期第3四半期決算説明会

J-オイルミルズ・次期社長の佐藤達也取締役専務執役員(写真左)と、八馬史尚社長(写真右)
J-オイルミルズは2月7日に、2022年3月期第3四半期の決算説明会をオンラインで開催。八馬史尚社長、次期社長の佐藤達也取締役専務執役員らが出席した。

4月1日付で新社長に就任する佐藤専務に対して八馬社長は、「長年の海外経験で培われたドラスティックな変革への意志と、スピードある力強い実行力を持つ」と評価し、佐藤専務は、「当社が持つ強みに異なる経験、視点を持ち込むことで、より良い相乗効果を発揮し変化につなげ、会社の発展と成長に貢献したい」と意気込みを語った。

八馬社長は、「第5期中期経営計画では、既存の強みを活かした成長と将来投資に向けての基盤固めを掲げ、組織風土改革を含めて取り組みを進めてきた。厳しい状況だが、本中計では次の時代を見据えた抜本的な変革と持続的な成長の実現に向けたチャレンジを始めた。足元では、新型コロナの影響に加え、未曾有の原料高に直面し、その対応に努めている途上での交代になるが、佐藤次期社長は国内だけでなく長年海外でも実務経験を積み、多くの実績を残すとともに、昨年4月に専務執行役員に就任後は計画の中核を担ってきた。長年の海外勤務で培われたドラスティックな変革への意志と、スピードある力強い実行力を持つ佐藤次期社長を先頭に、当社グループが一致団結することで、この難局を乗り越えて、更なる成長を実現できると確信している」と期待を寄せた。

佐藤専務は、「会社人生の大半、通算27年間を海外勤務で過ごしてきた。主として従事した職務領域は医薬用アミノ酸事業だ。当社の事業とは全く異なると感じると思うが、当社が持つ強みに、異なる経験、視点を持ち込むことで、より良い相乗効果を発揮し、変化につなげ、会社の発展と成長に貢献したいと考えている」と抱負を述べた。また、「原料高騰の状態は当面大きく改善することが難しい中、この難局を乗り越えるためには、基幹の油脂事業の立て直しが喫緊の課題で、スピード感を持って対処していく。その上で、高付加価値品の拡大や海外展開の加速といった成長戦略などの取り組みを実行し、第6期中期経営計画の目標達成を目指すという方針に変わりはない」とした。

〈装置産業的な植物油ビジネス、アミノ酸事業で上げた成果や生産改革の経験生かせる〉
また、八馬社長は佐藤専務について、「植物油のビジネスは食品産業の中でも多分に装置産業的な意味合いがある。佐藤専務がこれまで経験してきたアミノ酸の事業も比較的近い性質を持っており、そこで上げてきた成果、ドラスティックな生産の改革といった面でも経験は生かせると信じている」と述べた。

佐藤専務は自社の強みとして、「人材のポテンシャルが極めて高い。このポテンシャルが発揮されて成果を生めるように、組織をさらに改善して作っていきたい」と語った。

自身の豊富な海外経験の生かし方については、「海外経験が非常に長いが、国内の仕事と異なるわけではない。今までの仕事人生では、厳しい状況に置かれていた事業や関係会社で経営に関与し、立ち直しを図った経験を何度かしている。北米のアミノ酸事業では苦労したが、結果として大きく再生し、現在も成長を続けている。業種は異なるが、このような経験を活かして、当社の発展と成長に貢献していけると考えている」と強調した。

八馬社長は7年弱の社長就任期間で最も印象に残っていることとして、「コロナ禍の厳しい環境下で働いている社員と、のべ100回の対話を重ねてきた。当社で働く人材の真摯さ、真面目さは大きな財産だ。その力をこの先しっかり発揮できれば成長は実現できる。J-オイルミルズとなってから入社したメンバーが過半となり、旧事業会社の強みと新たに加わったメンバーそれぞれの強みがインクルージョンとして1つになっていくことで、成長を期待できることを改めて強く感じている」と語った。

〈大豆油糧日報2022年2月9日付〉