大判30cm「植物性とんかつ」を“一枚肉”で、植物肉「Green Meat」で小籠包や焼売・牛丼も商品化/グリーンカルチャー
植物肉の開発技術において、大きな一枚肉を作ることは非常に難しいとされており、2月7日に開かれたメディア向けの発表会では、長さ30cmのとんかつを作って見せた。ほかにも、2021年4月1日に発売した植物肉「Green Meat」をベースに開発した小籠包や焼売、牛丼といった製品も併せて披露した。
グリーンカルチャー・金田郷史社長
冒頭に会社概要と新製品の説明をした金田郷史社長は、「植物性とんかつ」について次のように述べた。
〈金田郷史社長 会社概要と新製品の説明〉
ここにあるかつは長さ30cmあるが、動物性のとんかつではここまで大きなものはない。肉質に関しては、繊維質がしっかり残っていて、まさに動物性のとんかつのような繊維状の食感を楽しむことができる。
また、四角にしたい、丸にしたい、薄くしたい、形を小さくしたい、大きくしたいといった工業的な仕様に合わせてサイズを変更していくことができる。食べた時にじんわりお肉の香りがするような香りづけをしており、そこが、かつを思わせる特徴となっている。食べ応えも香料を工夫することで油感を感じられるような香り付けをしている。
市場に出回っている植物肉は結構小さいものが多いが、それは大きくしてくっつけるのが非常に難しいから。今回はわれわれの配合の技術で、大きな大豆たん白と小さな大豆たん白を組み合わせることで、30cmという大きさであっても割れることなく、一枚肉のようにくっついたお肉を作ることができた。
〈「植物性とんかつ」の発売は5月を予定、外食、中食といった業務用として販売〉
発売は5月を予定しており、同社公式の通販サイトではエンドユーザーにも販売するが、まずは、外食、中食といった業務用としての販売を優先させるという。「植物性とんかつ」の価格に関しては、市場に出回っているものと同程度を考えているが、量産化できなければ、1.5倍から2倍といった価格付けになる可能性もあるとした。
「植物性とんかつ」の物性比較では、そしゃく(単位:ニュートン)が豚肉ヒレカツ(27.84)と近似値となる26.80を示した。成型肉の15.40と比較すると、はるかに弾力があり、柔らかく肉々しい食感を感じさせる数字を示したという。
断面図ではチキンカツに近く、色はベージュで厚みは、豚ヒレカツやロースカツに比べて肉厚にすることができる。組織比較では、きめ細やかな繊維組織が特徴で、ヒレカツに近い組織であることも明らかにした。
「植物性とんかつ」と畜肉使用かつの比較
グリーンカルチャー「Green Meat」牛丼
〈大豆油糧日報2022年2月9日付〉