丸紅「サステナブルフードDAYs」を初開催、大豆ミート「植物肉ハンバーグ使用ヘルシーロコモコプレート」などのメニューを提供

「植物肉ハンバーグ使用ヘルシーロコモコプレート」
丸紅は2月28日~3月3日にかけて、本社の社員食堂「〇Cafe」で「サステナブルフードDAYs」を初開催し、大豆ミートをはじめ、総合商社である同社が取り扱うサステナブルな食材を使ったメニュー4品を提供した。

「社食から考えるサステナビリティ」、「社食から達成するSDGs」をコンセプトに、社員のサステナビリティに関する意識向上を図るために企画されたもの。社員の反応も上々であったため、今後定期的に開催したいとしている。食料第一本部/食料第二本部戦略企画室企画課兼サステナビリティ推進部の藤本希担当課長は、「商社として、食と関わる環境・社会課題解決のためのさまざまな商品を取り扱っているので、一堂に集めて社員のサステナビリティへの意識啓発を目指した」と説明する。

左から、藤本希担当課長、小林航チーフトレーダー、小川瞭氏

左から、藤本希担当課長、小林航チーフトレーダー、小川瞭氏

動物性たん白に比べて環境負荷が少なく、健康にも配慮できる大豆ミートのメニューでは、同社が資本業務提携しているDAIZの「ミラクルミート」を使用した「植物肉ハンバーグ使用ヘルシーロコモコプレート」が450円で提供された。3月2日の取材時には、1日分の150食が12時30分時点で完売するなど人気を集めた。「ミラクルミート」を使用したハンバーグやツナは、これまでも社員食堂で提供しており、今回で4回目になるという。持続可能な漁業で獲られたさけ・いくらを用いた「紅鮭とイクラのはらこ飯」も730円で提供された。
 
フードロスは食品業界の課題だが、消費者向けの小売のみならず、上流や中流を担う商社や食品メーカーでも、検品ロットの未開封商品など無駄な廃棄が生じているという。そのため、フードロスについての問題意識があったという生鮮食材部からエビ600尾が提供され、こちらは2日間にわたり、食堂でメニューとなった。加えて、夜にも2カ月間提供される。
 
また、国内の3杯に1杯は同社が調達しているというコーヒーについては、提携しているエチオピアのスペシャリティコーヒー農園のドリップコーヒーを、プラスチックごみの削減に役立てるために長野県伊那市で制作されている麦ストローとともに提供した。
 
今回の企画は、サステナブル食材のマーケティングや販促などの推進といった目的も兼ねているという。日本ではまだまだサステナビリティが食の消費行動に結びついていないケースが多いと言われているが、「社食でのアンケートでは、サステナビリティに価値を感じる人は中間報告で90%以上だった。商品価値につなげる取り組みをしていきたい」としている。次回以降は、同社がデンマークで陸上養殖を行っているサーモンや、環境にやさしい野菜などのメニューを提供することも考えているという。
 
〈商品開発も行うフードサイエンスチーム設立、「ミラクルミート」米国進出へ〉
同社は2020年12月にDAIZに出資し、米国の植物肉市場進出に向けたマーケティングを共同で行っている。同社が米国産の特殊な品種の大豆をDAIZに供給しており、製造された「ミラクルミート」は、同社が小売や外食、食品メーカーなどに提供している。大手流通企業のPBにも採用実績がある。
 
食品原料部では2020年4月に、チーム長のもと、小林航チーフトレーダーと小川瞭氏ら5人でフードサイエンスチームを設立した。理系の社員が3人所属しており、商品開発を行いつつ、メーカーの開発とも連携する営業に取り組んでいる。
 
「ミラクルミート」について、小林チーフトレーダーは、「特殊な技術で大豆臭を抑制しており、栄養価も高まり、優位性がある。海外でも良い反応がある。世界の社会課題を解決する技術だと思うので、まずは最大市場の米国に進出していきたい」とした。大豆ミート市場について小川氏は、「一過性のものではなく、需要は伸びていくと考えている」と述べる。
 
〈大豆油糧日報2022年3月7日付〉