完全食みそ汁「MISOVATION」で“健康は我慢を覆す”、1食に31種類の栄養素
「完全食を提供していくための手段として、何が何でもみそ汁とは考えていなかった。とても簡単でおいしくて、健康にいいものを作りたいという思いがベースにあった。病気になる前の健康を食事で作っていきたいと思っていた。祖父が認知症となり介護の経験があり、自分自身もカゴメやリクルートで働いていた時は体調管理をおろそかにしてしまい太った経験もある。知識があるけど、体調を維持できない。当時、流行っていたサラダチキンを365日食べられるとは思えなかった。完全栄養食として、パンやドリンクなどが発売されていたが、毎日食べられない。そこで、世界で一番健康的な食品は何かと考えたら、それがみそ汁だった」。
MISOVATIONの斉藤悠斗代表
斉藤代表によれば、豆腐やみそには植物性のたん白質が豊富で、どのような野菜を組み合わせてもおいしく、ビタミンとミネラルがコントロールしやすい。加えて、日本の伝統的な文化でもある、発酵から生まれたみそが入っているので、栄養価も高く、腸内環境にもいい。みそ汁ほど、完全栄養食に近く、ポテンシャルの高い料理はなかったという。
「『健康は我慢』を覆したかった」という思いが起業した理由の一つとなっている。
〈毎月みその種類を変えて提供、将来的には47都道府県のみそを制覇したい〉
「MISOVATION」は、厳選したみそに煮干しをベースとしただしを合わせた濃厚でボリューム感のあるみそ汁となっている。具材やだしを瞬間冷凍することで、レトルトやフリーズドライでは味わえなかったフレッシュなおいしさや加熱に弱い栄養素をそのまま届けることに成功している。毎月みその種類を変えて、健康を継続するための楽しさも提供している。販売は、月1回の定期便で、定期4個が900円/個、定期8個が860円/個、定期12個が820円/個といったプランとなっている。
みその選別に当たっては「比較的規模の小さい、ニッチなみそ蔵を探している。地域に根差していて、添加物など使わずに、歴史もあり、こだわったみそ造りをしているみそ蔵にアプローチしている。将来的には47都道府県のみそを制覇していきたい」と語る。
今後の展開は、「これまでは国内のECサイトで販売してきたが、今後は業者向けの販売を強化していく。福利厚生として社員食堂や、小売店、百貨店、地方のアンテナショップなどへも販売していきたい。今夏は海外展開も考えており、常温で楽しめるフリーズドライ商品の開発にも着手していく。長期的には、みそ汁からみそにシフトしていく。みそ汁はみそを食べてもらう手段だ。みそ自体、体にいいものなので、世界中の人が週1回だったみその摂取量を週2、3、4回に増やすともっと健康になることを訴求して、みその消費量が伸びる事業を積極的にやっていきたい。例えば、『スープストック』のような店舗を出してみたい」とアイデアは広がるばかりだ。
〈大豆油糧日報2022年4月18日付〉