大豆ミート「ソイクル」販売、“子供の未来を見据え、気候危機と健康をテーマに”/上向き
白坂大作社長は、「普段からの生活で、大豆ミートを日常生活にどうなじませていくかが大事だ。特別な日だけ食べるのではなく、キッチンに大豆ミートが常設される時代がすぐそこまできている。そのきっかけづくりに貢献することによって、大豆ミートに親しみやすくなるような状況を作りたい。そのためには、『おいしさ』は最低限必要だった」と語る。
株式会社上向きの白坂大作社長
上向きが取り扱っている大豆ミートは、熊本県のDAIZ社が開発した発芽大豆を使った「ミラクルミート」だ。
「DAIZ社ではいろいろな種類の大豆ミートを試食させていただいた。発芽大豆という彼らの特許技術から生まれるうま味と栄養価には自信がある。大手メーカーは『ミラクルミート』を加工したタイプを選ばれるようだが、当社は乾燥タイプの加工を施していないものを選択した」と語る。
白坂社長によれば、加工した大豆ミートは、普段の調理に使う際、いろいろと準備が必要だが、乾燥タイプであれば、サラダに振りかけるような簡単な使い方も提案できるので、消費者にとっては大豆ミートを取り入れるハードルはグッと下がるという。それから、ヴィーガン対応をうたっていないのも特徴で、いかに普通の人に興味をもってもらい、使ってもらうかが重要だとも指摘する。
「環境に配慮したライフスタイルを目的にしている。いかに普通の人に使ってもらうかが大事で、提案するレシピも植物性の商品だからといって、全てを植物性にする必要はないと思っている。私たちのレシピは卵やマヨネーズ、チーズと一緒に使ってくださいというスタンスだ。自宅にある冷蔵庫の中や、近所のスーパーから手軽に手に入る材料と一緒に使っていただくことを推奨している」とする。
そのため、展示会などでは、「まずはそのまま食べてくださいと言う。サラダの上からかけてもらって、そのまま食べられるものなんだと感じてほしい。すごく手軽で、それでいておいしい。ハードルを下げて、間口を広げたい。それが当社の担っている役割だと思っている」と述べた。
〈アマゾンや小売店での販売も開始、環境に配慮したライフスタイルをスタンダードに〉
「購入してもらうには、ダイエットや健康という目的とおいしさがセットになっていないと難しい。商品を買ってくださった方には私たちが考えていることを伝えるため、商品と一緒にメッセージを記した読み物を送っている。大豆ミートだけでは環境改善は難しい。『ソイクル』の購入者に、食を入口で買った人にも、環境改善に大豆ミートが寄与していることを伝えたい」と、「ソイクル」を販売する目的を改めて強調する。
上向きではこれまで、「ソイクル」を販売する思いをしっかりと伝えるために、自社サイトでの通販でしか販売してこなかった。ただ、これからはアマゾンや同社の考えに賛同した小売店での販売も開始する。7月には新宿の丸井で、8月には有楽町の丸井でポップアップストアをオープンするという。
環境に配慮したライフスタイルをスタンダードにするのが同社の目的だという。子供のために未来に向けて何ができるのか。ライフスタイルを上向きに変えていくという思いから、会社名も「上向き」と命名されている。
◆大豆ミート「ソイクル」公式サイト
〈大豆油糧日報2022年6月28日付〉